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日本を元気にする経営学教室

ムダ発見のフレームワークを提供
IEによる改善とその応用
慶應義塾大学ビジネス・スクール校長 河野 宏和

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第16回】 2010年9月27日
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回転寿司チェーンで
生き残りの鍵握る「効率」を考える

 本稿の読者にも、回転寿司店を利用したことのある方は多いだろう。寿司以外の食材を提供するなど、業界自体が過当競争の様相を呈しているが、回転寿司チェーンが生き残るための一つの鍵は「効率」にある。ピーク時には店外に長い待ち行列ができ、満員で賑わう店内も、お昼時を過ぎると閑散としている。

 ある大手チェーンの一つでは、顧客が食べ終わった皿を、自らがテーブルの脇にある投入口に流し込んで回収する方式を導入している。一皿当たりの価格の標準化など、事前準備は必要であるが、先のグループが食べ終わってから次のグループが席に着くまでの、店員による皿カウントと片づけというアイドルタイムが短くなる。これにより、ピーク時の回転効率を向上させている。

 顧客にとっても、皿数のカウントミスという不安がなくなる。女性客にとっては、食べ終わった皿を高く積み上げる抵抗感が解消される。その一方で、店内が空いてくると、コンベアを「短縮ルート」に路線変更し、長いコンベアを動かして寿司ネタをムダに回転させるロスを防いでいる。

 このチェーン店では、年齢層や性別ごとの平均皿数や滞留時間を分析し、客数に応じてコンベア上に流す皿数を決めるシステムを導入し、それを応用して待ち時間を携帯端末に表示し、混雑時にも安心して待てるように工夫している。

効率向上を目指して:
インダストリアル・エンジニアリングとは?

 こうした効率向上のための考え方と手法は、一般にインダストリアル・エンジニアリング(IE)と呼ばれる領域で研究されている。IEは元々、100年近く前にアメリカで体系化され、日本においても第2次大戦後の経済成長時に、製造業を中心に大きな貢献を果たしてきた。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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