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鈴木敏文氏、流通人生・退任劇・将来を語る(下)

週刊ダイヤモンド編集部
2016年7月11日
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>>(上)より続く

意見は伝えるが「こうしなさい」と指示は出さない

──後継者については、どう考えていたのですか。

 自分は年も年だし、若い人にということを考えていた。そうしたところに息子(鈴木康弘取締役)が入社してきた。そうしたら、息子に譲ると周囲から見られるようになった。

 冗談じゃない。資本と経営の分離について、僕は散々強調してきた。(世襲は)考えてもいない。息子は隣に住んでいるけれど、仕事の話はしたことがない。

 (息子が取締役になったのは)「ネットのことが分かるのは、工学部出身で、富士通やソフトバンクでの勤務経験がある彼しかいない」と周りが言うから。「それだったら」とやらしただけで、僕が引き立てたわけではない。

 (今回、会長を辞任したのは)自分の考え方や方針と違うことを周囲に言われて、「もう、俺の出る幕じゃないな。勝手にしてくれ」と感じたんだ。だから、僕はぽっと辞めることを決断した。みんなに反対されたけどね。

 顧問として残ることも、もともとは白紙だった。記者会見で後継者について聞かれ、「僕は後継指名には参加しない」と答えたが、あれは本当の気持ちだったんです。

──顧問として会社に残ることも嫌だったのですか。

 このまま残っていたんじゃ駄目だなと思っていた。中途半端なことは嫌だったから。結局、顧問として残ると決めるまでに2カ月近くかかったけれど、なぜ残ったのかといえば、取引先から「流通業界に残っていてもらわないと困る」と言われたからです。

 また、セブン-イレブンのオーナーさんからも「あなたを信用して加盟したんだ」という声を頂きました。顧問も受けず去ろうと思っていたけれど、こういう形で残ることになりました。

──それまでの過程は、大きな騒動になりました。

 みっともないなと。僕は(会長辞任の)記者会見をしたときに、こんな大きな問題になると思っていなかった。新聞の隅っこに、記事が出るくらいだと考えていた。

 でも、辞めるにしても、本当のことを言っておかないと、「悪いことをしたから辞めたんだ」という臆測が出てしまいかねない。だから、顧問の2人に一緒に会見に出てくれと頼んだんだ。

──鈴木さんが辞めたら、それは大騒ぎになりますよ。

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