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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

“協力させる”職場から“協力を得る”職場へ!
「専門分化」の壁を取り払うコミュニケーション力

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第13回】 2010年9月29日
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 前回は、フリーライダー問題を考えるうえで社員が認識しておくべき、「多様性社会」におけるコミュニケーション力の必要性を説明した。現在の職場では、自分にその気がなくても、コミュニケーション不足が原因で、周囲から「タダ乗り社員」と誤解されてしまうリスクが高まっていることを例に挙げた。

 日本はすでに、多様性社会に突入している。かつての単一性社会時代の意識のままで、コミュニケーションをとることはまずい。

 そのままでは、前述のような「フリーライダー問題」をはじめ、本人たちが意図しない問題が職場のコミュニティに発生するリスクが高まっていることを指摘した。

 そして、コミュニケーションに関する意識と質を変えなくてはいけないもう1つの背景として、「専門分化」というキーワードを採り上げて稿を終えた。今回は、前回に引き続き、フリーライダー問題に関わる「専門分化」という現象を詳しく説明しながら、職場におけるコミュニケーションの重要性をさらに深く考えてみよう。

顧客の要求ニーズの高まりなどで
急速に広がる仕事の「専門分化」

 「専門分化」とは、顧客の要求ニーズが高まったり、日進月歩に技術革命が起きたり、世の中が複雑化したりしてくると、1つ1つの仕事に専門性が強く求められるようになってくることだ。

 イメージ化のために、まず、顧客の要求ニーズが高まるとどうなるかということから考えてみよう。

 そこでは、以前は営業マンが1人で全部やっていたようなことを分解して、それぞれの専門部署を設置し、専門的に対応する人を置くようになる。

 たとえば、顧客からのクレーム対応。クレームは「次の商品開発・サービス開発のタネ。その中にこそ要求ニーズが隠されている」と捉えられるようになってくると、企業のクレームに対する扱いは変わってくる。将来価値につながる「宝」なのだから、その情報は慎重かつ大切に扱わなくてはならなくなる。

 また、クレームが会社の「ブランド・信用」に根本的に関わる時代になった。その一方、手の込んだ悪質クレーマーも増えてきた。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

「あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場」

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