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インド・ASEAN株式市場
“危うさ”含みの最高値続出

週刊ダイヤモンド編集部
2010年10月4日
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7月以降、投資家のリスク選好回復に伴い各国の株価は急上昇、9月に入り加速した。写真はインドネシア・ジャカルタの証券会社
Photo:EPA=時事

 インド・ASEANの株式市場がわいている。

 9月下旬、インドネシア、フィリピン、タイなどの各市場で史上最高値更新が続出。インドのSENSEX指数は2万の大台を突破して最高値が目前、シンガポールも2008年以来の高値圏にある。

 株価を押し上げているのは、海外からの資金流入である。米国を筆頭とする先進国の、歴史的低金利でだぶついたマネーがこれらの国々に殺到。株式に加え債券、通貨と“トリプル高”の様相だ。

 インドもASEAN諸国も経済状況は良好であり、投資家の人気を集めるに十分な材料を持つのは確かだ。「FTAで関税が撤廃され、一つの市場と見なされるようになったことも下支え」(西濱徹・第一生命経済研究所副主任エコノミスト)している。

 もっとも、資金が集中する最大の理由は“他に投資するところがない”ことだ。

 先進国の金融緩和は今しばらく続こう。米国・欧州経済の低迷も、現在のところアジア諸国には影響が薄い。つまり、資金流入はさらに続く可能性が高い。とりわけ、内需主導で輸出依存度が低いインドやインドネシアは注目を集めやすい。

 しかし、現状が多分にリスク含みである点には要注意だ。

 「インドのSENSEX指数のPBRは08年の最高値時の半分強程度で、割高感はさほどない」(須貝信一・ネクストマーケット・リサーチ代表)との見方がある一方、ASEAN各国の株価水準についてはすでに行き過ぎとの意見が市場関係者には多い。

 食品・資源価格の上昇によりインフレ圧力が高まっており、不動産価格の高騰など資産バブルの懸念も出てきている。

 各国政府・金融当局は難しい舵取りを迫られる。半端な利上げは金利差を拡大させ、さらに海外マネーを吸い寄せる結果となる可能性がある。反面、引き締め過ぎれば成長自体を損ねてしまう。また輸出競争力維持のための為替介入は、国内の過剰流動性を増し、バブルを加速させかねない。

 マネーの流れが逆転した場合のリスクは言うまでもない。「1997~98年のアジア通貨危機に象徴されるように、逃げるときは一気」(アイザワ証券投資リサーチセンターの明松真一郎氏)だ。

 流入資金の内訳、特に低金利の先進国で資金を調達し、高金利の新興国通貨で運用する「キャリートレード」の実態を把握するのは困難だが、「単に株や債券のゲインを狙うのではなく、ヘッジなしの現地通貨建て金融商品で差益を狙う短期投資が、かなり入っている」(国際金融筋)と見られる。この種の資金は逃げ足が速く、大きな攪乱要因となりうる。

 アジア通貨危機時に比べ、資金流出に対する各国の耐性は増しているとされるが、実際に事が起きた場合の影響は未知数だ。少なくとも、株式市場が多大なショックを受けるのは間違いない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)

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