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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

心理学で解説、デキる部下は上司を上手く「見切って」いた

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第47回】 2016年8月1日
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デキる部下は、上司とどのように接しているのでしょうか

管理職になり様々な性格・能力の部下を持つことになったが、それぞれどうマネジメントすればいいのかわからない。また、様々なタイプの上司とどう付き合えばいいのかわからない。そうした問題を抱えている方は少なくないだろう。そんな人にとってヒントになるのが、ハーバード大学教育大学院教授のロバート・キーガン博士、オットー・ラスキー博士らが提唱する発達心理学の1つ「成人発達理論」だ。キーガンの成人発達理論は、人間を発達段階で大きく5つに分類し、欧米企業の組織開発や人材育成に活用され始めている。

前回は、日本企業で変革が起きづらい原因を、成人発達理論の実践書『なぜ部下とうまくいかないのか』の著者・加藤洋平さんに解説してもらったが、今回は成人発達理論を応用して上司や部下とうまく付き合う方法について解説してもらった。

上司とうまく付き合える部下は
いい意味で上司を「見切って」いる

秋山進さん

秋山前回は、子どもにとって大人が絶対的な存在だという話をしましたが、会社では部下にとって上司が権威的な存在です。私は、両者が上手く付き合っていくために、上司が部下にどう接していくかということももちろん重要ですが、むしろ部下が上司を、相手の立場に立ってその状況や思考を認識できる「発達段階4」(※)的な方法で「見切る」ことを習得すべきだと思っています。そうすれば、部下が上司に対して不満を感じることはあっても、感情的な対立が避けられますから。

※成人発達理論の「発達段階1~5段階」については、前回を参照。

加藤 それは面白い意見ですね。「見切る」ためには、相手が置かれている立場や状況などを踏まえる必要があり、それは高度な能力だと思うのですが、秋山さんは「見切る」というのをどのように捉えているのかもう少し詳しく教えていただけますか?

秋山 「課長が矛盾した指示を出すのは、さっき部長から呼ばれて何か(おそらく予算が減ったとか)言われたからで、課長も課長で大変なんだな」とか、「課長が『営業は足だ』と信じて疑わないのは、自分の成功パターンを絶対視しているからだな」とか。相手の言動や寄って立つ価値判断基準の源泉を想定して、相手の状況を観察してみれば、「理解する」、もっと極端にいえば「見切る」ことは十分に可能だと思っています。

加藤 具体的な説明ありがとうございます。そうした「見切り」は、ある意味で肯定的なものであり、それができれば上司と部下の関係は良好なものになるかと思います。一方、否定的な見切りもあると思うのですが、この点についてはいかがでしょうか?

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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