ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

遺伝病のペットが日本で放置されているのはなぜか

木原洋美 [医療ジャーナリスト]
2016年7月29日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
先天的な病気を持ってると知らずに“家族”として迎え入れている場合も(写真は本文と関係ありません)

3頭続けて早世したミニチュアダックス
飼い主には「飼う資格がない」のか

 「僕には犬を飼う資格がない」

 職場のペット談義の輪からそっと離れて、TMさん(50歳)はつぶやいた。5年ほど前のことだ。聞けばそれまで3頭のミニチュアダックスフンドを飼い、すべて4年も経たないうちに死なせてしまったという。

 「普通の飼い方をしていたつもりだけど。何かに祟られているのかもしれないなぁ」

 悲しげな独白に耳を貸しつつも私は内心(人間が食べる味の濃いものを与えるとか、間違った飼い方をしていたんじゃないの?)と疑っていた。

 だが今回、ペットの遺伝病について取材してみた結果、3頭の犬たちの早世は、飼い方のせいではないかもしれないと思うようになった。

 きっかけは、2016年5月26日の 朝日新聞朝刊に載った記事。

 「ペットショップで買った犬が病気だった――。そんなペットに関するトラブルが後を絶たない。犬猫の飼育頭数が減少傾向に転じ、犬の販売頭数も減っているとされるが、国民生活センターに寄せられる相談件数はなかなか減らない」

 …で始まり、その一因は「高リスク繁殖」にあり、「見た目のかわいさだけを考えて先天性疾患のリスクが高まるような繁殖が行われている。消費者としては、様々な疾患が見つけやすくなる生後3ヵ月から半年くらいの子犬や子猫を買うことが、自己防衛につながるでしょう」という獣医師のコメントで締められていた。

 「リスクが高まるような繁殖」って? 消費者は、飼わなければ自己防衛できるとして、先天性疾患(遺伝病)を持ったペットたちはどうなるの?

 気になって調べ出した。


先天性疾患とは、出生時に疾患を有する場合で、遺伝病(遺伝性疾患)も含まれる。
遺伝病は、親の形質が子孫に伝わる病気。
その形質は出生時に現れずに、時間の経過とともに現れることもある。
病気は、治療を必要としない軽いものから、死に至る重度のものまである。
 
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

木原洋美 [医療ジャーナリスト]

きはら・ひろみ/宮城県石巻市の漁村で生まれ、岩手県の山村で幼少期を過ごし、宮城県の穀倉地帯で少女時代を送る。明治学院大学在学中にコピーライターとして働き始め、20代後半で独立してフリーランスに。西武セゾングループ、松坂屋、東京電力、全労済、エーザイ等々、ファッション、流通、環境保全から医療まで、幅広い分野のPRに関わる。2000年以降は軸足を医療分野にシフト。「常に問題意識と当事者感覚を大切に取材し、よ~く咀嚼した自分の言葉で伝え、現場と患者の架け橋になる」をモットーに、「ドクターズガイド」(時事通信社)「週刊現代 日本が誇るトップドクターが明かす(シリーズ)」(講談社)「ダイヤモンドQ」(ダイヤモンド社)「JQR Medical」(インテグラル)等で、企画・取材・執筆を深く、楽しく手掛けてきた。2012年、あたらす株式会社設立(代表取締役)。2014年、一般社団法人 森のマルシェ設立(代表理事)。森のマルシェでは、「木を遣うことが森を守ります」の理念を掲げ、国産材の樽で仕込む日本ワインやバルサミコ酢の開発等、国産材の需要を開拓する事業に取り組んでいる。


DOL特別レポート

内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。

「DOL特別レポート」

⇒バックナンバー一覧