ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

愛犬と一緒に死ぬしかない!“ペット老老介護”問題の深刻

木原洋美 [医療ジャーナリスト]
2016年6月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

飼育方法の変化や、ペット医療の進歩などによって、長生きするペットが増えた。それに伴い、増えているのがペットの介護問題だ。夜鳴きなどの症状よって、愛犬を手放したり、高齢者が老犬・老猫を介護するという「老老介護」問題も発生している。深刻なペット介護の問題をレポートする。(ジャーナリスト 木原洋美)

泣く泣く愛犬の声帯を切除した
高齢者施設で暮らす女性

筆者の愛犬、もうすぐ9歳。おでこの辺り、だいぶ白髪が目立ってきた。いつかは介護が必要になるかも

 「声を奪ってしまって、可哀そうなことしたかなぁって、今も思うのよ」

 関東の高齢者施設で暮らすチエコさん(仮名・92歳)は、2年前に亡くした愛犬コロについて話す時、どうしても涙ぐんでしまう。

 コロは柴犬のオス、チエコさんが中野のマンションで一人暮らしをしていた頃、知り合いのところに生まれた子犬を譲り受けた。

 「小さくてコロコロしているから、あなたはコロよ」

 呼びかけると、まるで「わかりました」というように元気に吠えた姿を、昨日のことのように思い出す。

 夫に20年以上前に先立たれたチエコさんにとって、コロは実の子ども以上に可愛い家族。コロのおかげで、毎日たくさん歩いて、たくさん笑えたと、心の底から感謝している。

 幸福な毎日に陰りが差したのは4年前。コロに異変が起きた。

 「おしっこを失敗したり、同じところをぐるぐるぐるぐる歩き回ったりして、ボケたかな、とは思っていたんだけど」

 ある夜いきなり夜鳴きがはじまった。

 叱っても、口を押さえても止まらない。いたたまれず抱き上げ、外へ飛び出した。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

木原洋美 [医療ジャーナリスト]

きはら・ひろみ/宮城県石巻市の漁村で生まれ、岩手県の山村で幼少期を過ごし、宮城県の穀倉地帯で少女時代を送る。明治学院大学在学中にコピーライターとして働き始め、20代後半で独立してフリーランスに。西武セゾングループ、松坂屋、東京電力、全労済、エーザイ等々、ファッション、流通、環境保全から医療まで、幅広い分野のPRに関わる。2000年以降は軸足を医療分野にシフト。「常に問題意識と当事者感覚を大切に取材し、よ~く咀嚼した自分の言葉で伝え、現場と患者の架け橋になる」をモットーに、「ドクターズガイド」(時事通信社)「週刊現代 日本が誇るトップドクターが明かす(シリーズ)」(講談社)「ダイヤモンドQ」(ダイヤモンド社)「JQR Medical」(インテグラル)等で、企画・取材・執筆を深く、楽しく手掛けてきた。2012年、あたらす株式会社設立(代表取締役)。2014年、一般社団法人 森のマルシェ設立(代表理事)。森のマルシェでは、「木を遣うことが森を守ります」の理念を掲げ、国産材の樽で仕込む日本ワインやバルサミコ酢の開発等、国産材の需要を開拓する事業に取り組んでいる。


DOL特別レポート

内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。

「DOL特別レポート」

⇒バックナンバー一覧