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本川裕の社会実情データ・エッセイ

日本人の宗教観は奇妙か、それとも他国が奇妙なのか

本川 裕 [統計データ分析家]
【第6回】 2016年8月3日
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宗教の意義は「死後」か「現世」か

 日本人が当たり前と思っている考え方が、世界では「不思議で奇妙」と思われることが多い。特に宗教に関してはこれが当てはまるようだ。今回は、国際比較調査のデータからこの点について触れたい。

 世界各国の人々の意識や考え方について、昔は、文献や海外での個人的な交流から推察するだけで直接は知ることはできなかったが、今は、共通の調査票で各国研究機関が行う共同調査の結果によって直に知ることができるようになった。望遠鏡や電話の発明といったものと同じく、人類の進歩の1項目として特筆すべきことだと思う。

 こうした共同調査の代表的なものとしては、世界価値観調査とISSP調査が挙げられる。両方ともすべてのデータがインターネットで公開されている。

 欧米で提唱されて始まったこうした調査には、多くの宗教関連の設問が設けられている。日本と違い、宗教への関心が高いからだろう。当初は、神を信じていますかとか、どんな宗教を信じていますかといったベーシックな設問が主だったが、最近では、宗教観の内容をいろいろな角度から尋ねる設問も行われるようになっている。

 まず、2010年から数年にわたり実施された最新の世界価値観調査から、宗教の基本的な意義は「死後の意味づけ」なのか「現世の意味づけ」なのかを問うた設問の回答を見てみよう。

◆図1 宗教の意義は「死後」か「現世か」(2010年期60ヵ国)

 

 

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本川 裕 [統計データ分析家]

統計データ分析家。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科兼任講師。1951年生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。同大学院単位取得済修了。(財)国民経済研究協会研究部長、常務理事を歴任。現在、アルファ社会科学(株)主席研究員。インターネット上で「社会実情データ図録」サイトを主宰。

 


本川裕の社会実情データ・エッセイ

本連載では、統計データの動きを独自に整理、グラフ化することによって、意外な社会の動きやわが国の状況を追って行きたいと考えている。もっとも堅苦しいものではなく、趣味的な個人の嗜好も含めたざっくばらんなものとしたい。体系的な思想というよりエッセイ形式で人間習俗(モラル)を観察したモラリストの伝統に連なれればと考え、連載タイトルにエッセイという用語を含めた。

 

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