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新築マンション「中古になったら2割下がる」は本当か?

沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
【第27回】 2016年8月4日
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不動産業者の俗説は本当か?
新築マンション価格が2割下がる根拠

新築マンションは中古になったら2割下がる――。こんな話があたかも神話のように語られてきた。果たしてそれは本当なのだろうか。マンションの購入を考えている人にとっては気になるところだ

 新築マンションは中古になったら2割下がる――。この話は不動産業者に端を発している。マンションを開発する事業者の粗利益が2割だから、中古になるとこの粗利益がなくなって原価になると想定している。マンションの価値は土地と建物の合計額であるから、あながち間違っているわけではない。しかし、この数字は仮説に過ぎず、検証されてもいない。もし本当に2割下がるならば、新築よりも中古を購入した方が得策ということになる。そうなると、新築よりも中古を検討する人が増えてもよさそうなものである。

 開発事業者の新築マンションの値付けは、販売価格を100とすると土地代と建築費で80ほどになる。残りの20が粗利益だが、これも販売管理費と純利益に分かれて、それぞれ10くらいになる。純利益が10もあると多いと思われるかもしれないが、売上が90%を超えない限りは借り入れた資金90すら返せないので、10%以上売れ残ったり値引き販売する状況になったりすると、非常に苦しい懐勘定になることがわかるだろう。

 販売管理費は主に広告費と販売委託費(販売会社の人件費相当)だが、これらは売るためには必要なコストである。これに対して、購入予備軍を集めておいてセミオーダーする方式があり、「コーポラティブハウス」という名前で呼ばれている。この方式でも、実際には広告などは行われており、販売の際には担当がついて細かな設計変更の対応をしており、販売管理費が大幅に削減されている状況にはなっていない。

 分譲マンションの場合、建築規模や大手売主の発注頻度からゼネコンの建築費は抑えられており、小規模で施工の難易度の高いコーポラティブの方が建築単価は高くなるケースも多い。つまり、大手が行う事業は建築費を抑える効果があり、割安な発注単価を実現できている。それと土地代だけで中古価格が形成されているとすると、かなり割安ということになってしまう。

 新築が中古になると何%下がるかについては、色々な調査方法がある。ある新築物件が築1年で中古になって成約した価格を調べればいいような気がするが、それでは非常にばらつきがでてしまう。なぜなら、新築の販売時と竣工後1年経過した時点では、物件ごとに3年ほどの開きが出てしまうこともある。

 たとえば、ある事業者はすでに竣工した築1年の物件を売っていたりする一方で、タワーマンションなどでは竣工が2年先のケースがあったりする。こうして期間に差が出ると、その間に相場は2~3割も変動することが出てきて不正確になる。

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沖有人(おき・ゆうじん) [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業後、2社を経て、1998年、現スタイルアクト株式会社を設立。マンション購入・売却者向けの「住まいサーフィン」は17万人以上の会員を擁する。「タワーマンション節税」などの不動産を使った節税の実践コンサルティングに定評があり、不動産分野でのベストセラー作家として講演・寄稿・取材・テレビ出演多数。主な著書に『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書、2012年)、『マンションを今すぐ買いなさい』(ダイヤモンド社、2013年)、『タワーマンション節税! 相続対策は東京の不動産でやりなさい』(朝日新書、2014年)など。


ビッグデータで解明!「物件選び」の新常識

不動産は個人資産の半分を占めるにもかかわらず、プロとの情報格差が大きい。この情報格差を少しでも解消できれば、個人はもっと多角的な視点から「よい物件」を選ぶことができ、将来を見据えた資産形成が可能となる。「自宅投資」「資産インフレ予測」「タワーマンション節税」などをメディアで提唱し、新たなムーブメントを起こしてきたスタイルアクト株式会社の沖有人代表取締役が、これまで蓄積した「不動産ビッグデータ」を基に、住宅の選び方に関する「新しい常識」を徹底指南する。スタイルアクトが自宅を投資になぞらえて情報提供している「住まいサーフィン」では、17万人の会員のうち、自宅査定ツールで7割が含み益を出していることから、資産形成した人数は12万人相当と想定される。株や投資信託のように学習することで、プロ顔負けの資産形成ができる手法はある。沖社長が次に提示する不動産の秘策は、これまで同様「早い者勝ち」となるかもしれない。

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