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佐高 信の「一人一話」

現代の戯れ絵師 山藤章二

佐高 信 [評論家]
【第52回】 2016年8月15日
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 山藤章二著『忘月忘日6―アタクシ絵日記』(文春文庫)で、私はこう書かれた。

 〈とにかくこの人、テレビや活字で見るたびに、誰かれなく斬りまくっている。それもユーモラスとか諷刺とかの変化球ではない。「詐欺師」「盗賊」あたりはまだいい。人間に籍があるから。時には「痰壺」「肥だめ」などと、紳士にあるまじき評言で斬る。だからスカっとする〉

 私もやみくもに斬人斬馬しているわけではない。しかし、イメージとしてはそんな感じなのだろう。

 いずれにせよ、現代の戯れ絵師、もしくは毒絵師の山藤にこう折り紙をつけられて、私は本望だった。

「佐高信のイメージ」を世の中に決定づける

 “辛口評論家”という私のニックネームは山藤がつけたようなものである。『朝日新聞』に連載していた「佐高信の新・会社考」に山藤の描く私の似顔絵が載って、世の中に私のコワモテが印象づけられた。

 笑うことのないようなこのコワイ似顔絵を私は気に入っていたのだが、80歳を過ぎた私の母親は姉に「アレがズーッと載るのか」と尋ねたという。

 親のヒイキ目で息子はもう少しイイ顔だと思っていたらしい。

 のちに対談した時、山藤は、「はじめて会ったときには違うなと思いましたね」と言っていた。テレビの中では「まず笑顔は出さない」けれども、「表と裏を使い分けているんだな」と思ったというのである。

 そんな器用さは私にはないが、「はじめて会った」のは、川柳の審査の席だった。

 シティバンクが募集した「金融御意見川柳」の審査員として同席したのである。私たちがグランプリに選んだのが「国民を無理矢理連帯保証人」で、その他、「トラの子の亡命先を考える」がシティバンク賞。

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佐高 信 [評論家]

さたか・まこと 1945年山形県酒田市生まれ。評論家、『週刊金曜日』編集委員。高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家に。「社畜」という言葉で日本の企業社会の病理を露わにし、会社・経営者批評で一つの分野を築く。経済評論にとどまらず、憲法、教育など現代日本のについて辛口の評論活動を続ける。著書に『保守の知恵』(岸井成格さんとの共著、毎日新聞社)、『飲水思源 メディアの仕掛人、徳間康快』(金曜日)など。


佐高 信の「一人一話」

歴史は人によってつくられる。ときに説明しがたい人間模様、ふとした人の心の機微が歴史を変える。経済、政治、法律、教育、文化と幅広い分野にわたって、評論活動を続けてきた佐高 信氏が、その交遊録から、歴史を彩った人々の知られざる一面に光をあてる。

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