ソニーが、1億4600万台を売り上げた大ヒット家庭用ゲーム機「PS(プレイステーション)2」の後継機として、「PS3(60GBモデル)」をオープン価格(実売5万9980円)で発売したのが2006年。ブルーレイ再生機能も備えたPS3は、ハイスペックなエンターテインメントマシンとして大いに売れる予定だった。
それから4年。価格バッシング(本体価格が高すぎるとの批判)も手伝って、PS3の全世界累計売上台数は3800万台(そのうち、日本は500万台以上)にとどまり、ソニーは苦戦を強いられ続けた。だが、最大の懸案だった価格が最安値モデルで2万9980円となり1年が経過、今年の年末商戦はようやく勝負になりそうな雰囲気がでてきている。
任天堂は9月28日、今年の年末商戦の主役と目されていた携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」の発売を来年の2月26日と発売した。
これについて、あるゲームソフト会社幹部は「3DSの発売を2月にずらしたことの影響は、長い目で見ればたいしたことがない。だが、3DSが年末商戦を事実上スキップしたことは、ソニーにとっては最大のグッドニュースになった」と話す。つまり、年末商戦の主役の座が任天堂からソニーに回ってくる可能性が出たということだ。
そして、ソニーの家庭用ゲームビジネス全般で考えても、年末商戦を勝ち抜く環境が整いつつある。特に、世界累計出荷台数が6270万台(うち、日本は1500万台)の携帯用ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」市場は、順調に推移している印象だ。
市場を牽引しているソフトには、「キングダム ハーツ バース バイ スリープ」 (スクウェア・エニックス)、「メタルギア ソリッド ピースウォーカー」(コナミ)、 「ゴッドイーター」(バンダイナムコゲームス)、「初音ミク プロジェクト ディーバ 2nd」(セガ)などが挙げられる。