ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
エコカー大戦争!

トヨタの電気自動車戦略に見え隠れする
独BMWの事業展開手法

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第59回】 2010年10月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 世界のバッテリー産業と自動車産業で今、注目されている企業がある。

 その名は、SB LiMotive。「SB」の「S」は韓国サムスンSDI、「B」は独ボッシュ。そして「Li」はリチウムイオン二次電池、「Motive」は自動車用を意味する。

 サムスングループは、言わずと知れた韓国の大手電機メーカー。小型パソコンや携帯電話で普及したリチウムイオン二次電池で、世界シェアトップの三洋電機(パナソニックグループ)を、価格競争力を武器に猛追している。一方のボッシュは、ドイツ自動車産業で中心的役割を果たす総合部品メーカーである。

SB LiMotive製のPHEV(プラグインハイブリッド車)用電池パック。容量は約7kwh。

 この強者連合の合弁事業であるSB LiMotiveは、「セル」と呼ばれるリチウムイオン二次電池の単体を韓国内で開発・生産し、温度管理などを目的とする制御基盤を組み込んだ「モジュール化」、さらに車両搭載を考慮した数個のモジュールを組み合わせる「電池パック化」をドイツ国内で行っている。

 高い技術開発力と世界にリーチできる強力な営業力を兼ね備えているのだから、その動向を、日系自動車メーカーと関係が深い日系バッテリーメーカーあるいは大型政府補助金に頼る米系バッテリーメーカーが注視するのも当然と言える。

 実はSB LiMotiveはすでに、BMWが2013年から量産する電気自動車「メガシティビークル」向けの角型「セル」の供給契約を結んでいる。

 2010年10月19~21日にドイツ・ミュンヘン市ニューメンメッセで開催された電気自動車のフォーラムと展示会である「eCarTec」ではPHEV(プラグインハイブリッド車)向けの容量約7kwhの電池パックを世界初公開した。

 同フォーラムを訪れた筆者は、SB LiMotive関係者から、「ホンダを含めた日系企業とも(PHEV用の製品)供給に向けた交渉をしている」との話を聞いた。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
好評発売中!
「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車の共存でビジネスモデルは混沌!トヨタ、ホンダ、日産、三菱など日本メーカーは世界で勝てるのか?年間飛行機移動時間が最も長い日本人自動車ジャーナリストが世界のエコカー事情を徹底取材。市場・インフラ、技術、政策、各社の戦略を詳細かつヴィヴィッドにレポート!

話題の記事

桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


エコカー大戦争!

「エコカー=日本の独壇場」と思っているとすれば、それは大間違いだ。電気自動車、ハイブリッド車を巡る市場争奪戦はこれからが本番。日本は序盤戦を制したに過ぎない。世界規模の取材でエコカー大戦争の行方を探る。

「エコカー大戦争!」

⇒バックナンバー一覧