ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記
【特別連載 第11回】 2016年9月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
馬場未織

田舎に一生モノの家を買うとき、
絶対後悔しない不動産屋の特徴とは?

1
nextpage

平日は都会で働き、週末は田舎で過ごす。東京生まれ、会社勤め、共働き、こども3人。「田舎素人」の一家が始めた「二地域居住」。土地・住居を買うとき、絶対に関わるのが不動産屋だ。不動産屋次第で、その後の生活の充実度も決まるといってもおかしくない。いい不動産屋にはどんな特徴があるのだろうか?家探しから往復生活の日常までを描く奮闘記『週末は田舎暮らし』から、一部を抜粋して紹介する。

◆これまでのあらすじ◆
「二地域居住」に憧れる一家は、夢の田舎暮らしを始めるために、神奈川、千葉の不動産屋をめぐり歩き、ようやく「運命の土地」の購入を決めた。仲介する不動産屋にその決意を伝えるが、果たしてすんなりと買うことができるのだろうか……。

協力者との、信頼関係

 わたしたちは、一気に本気モードに入りました。不動産屋さんに喰らいつき、「どうすればこの土地を、本当に、取得できるんでしょうか!?」と、もう恥も外聞もなく聞きまくりました。わたしたちには地縁もなければ知識もない。頼れるのは、不動産屋さんだけ。

 その怖いくらいの必死の形相におののいたからか、この不動産屋さんは今度はしっかり向き合って、問題の解決を一緒に考えてくれました。そうこうするうちに、買い主と不動産屋というお金でつながった関係が、少しずつ変化していったのです。

 まず、農家資格を取得するには、最低「1年以上」は実際に農地管理をする実績が必要となるということが判明した際、「農地以外は本登記、農地だけは仮登記」からはじめるのはどうか、という提案をもらいました。

 「仮登記」とは、読んで字のごとくあくまで仮ですから、登記上はわたしたちにはその土地に何の権利もない状態を指します。秦野の土地を横からぱっと買われてしまった苦い経験のトラウマで「権利がない状態」に身を置くことが実に不安に思えました。

 すると、なんと不動産屋さんは「わかりました。では、わたしが必ずこの売買契約を成立させるという責任を示すために、契約金の一部を出しましょう!」と、提案してきたのです。

 契約金の一部を、不動産屋さんが肩代わりする!?

 もしわたしたちが真面目に農地管理をしなくて、ずっと農家になれず売買契約が結べなかったら、彼はその金額を丸ごと失うことになるのです。なんという提案でしょう。それでも「頑張って、取得しましょうよ。大丈夫、最後まで関わり続けますから」と言ってくれたのです。

 思えばはじめのころ、わたしは不動産屋さんに対して、慣れない駆け引きをし続けていました。値引き交渉というのは世知辛さそのもので、これが大人への道だと思っていました。

 でも、今回はちょっとワケが違う。売買終了までが大変に長丁場の取引なのです。

 わたしは、彼の心意気がありがたかっただけでなく、不動産屋さんと人間的なやりとりができることに心を熱くしました。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55

いまの科学で「絶対にいい!」と断言できる 最高の子育てベスト55

トレーシー・カチロー 著/鹿田 昌美 訳

定価(税込):本体1,600円+税   発行年月:2016年11月

<内容紹介>
子どもの豊かな心を育て、頭と体を伸ばしていくために親が知っておきたいことについて、最新の科学研究をもとに「最も信頼」できて「最も実行しやすい」アドバイスだけを厳選して詰め込んだ貴重な本。子にかけるべき言葉、睡眠、トイレトレーニング、遊び、しつけまで、これ一冊さえ持っていれば大丈夫という決定版の1冊!

本を購入する
著者セミナー・予定
(POSデータ調べ、11/20~11/26)


注目のトピックスPR


馬場未織 

 

1973年東京都生まれ。1996年日本女子大学卒業、1998年同大学大学院修了後、建築設計事務所勤務を経て建築ライターへ。プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約200往復する暮らしの中で、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、東京に野菜の美味しさを届ける「洗足カフェ」(目黒区)、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営などを手掛ける。

 


週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記

山崎亮氏推薦!「すごくアナログだけど、とても未来的な生活だ。」東京生まれ、会社勤め、共働き、子供3人。「田舎素人」の一家が、都会と里山の往復生活を通して、手さぐり体当たりで見つけたこれからの豊かで新しい暮らし方。土地探しから地域との関わり方、家庭菜園まで、等身大のデュアルライフ入門。

「週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記」

⇒バックナンバー一覧