ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏

Uターン転職が盛り上がらない本当の理由

丸山貴宏 [株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役]
【第44回】 2016年8月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

大都市と地方都市では
圧倒的に給与水準が異なる

あこがれの地方転職。同じ「部長職」でも年収は3分の1に激減することもあるそうです

 7年前、私たちは日本各地の志を共にする人材紹介会社をネットワークしてUターン・Iターンを中心とした転職を支援する会社、リージョナルスタイルを設立しました。加盟企業が増加していることもあって、リージョナルスタイルの転職決定者数は毎年10%以上伸びています。

 ただ、この数字をもって東京をはじめとする大都市から地方への転職が盛り上がっているかというと、必ずしもそうとは言えません。Uターン・Iターン転職支援に取り組んでいる他の人材紹介会社を見ると、かなり苦戦しているからです。

 なぜUターン・Iターン転職が苦戦しているかというと話は単純で、ダイヤモンド・オンラインを読んでいるようなビジネスパーソンにとって魅力的な求人が地方にはあまりないからです。

 多くの地方企業が土俵にしているのは、自社のある県やローカルエリアです。そのため、東京で働いているときに味わった最前線感は非常に薄くなります。また、ローカルエリアで勝負しているということはマーケット規模も小さく、必然的に給与が下がります。

 たとえば東京で1200万円の給与をもらっていた方がある地方の中小企業に転職した例では、400万円へと実に3分の1に下がりました。どちらもポジションは同じ部長職であるにもかかわらず、です。要するに、地方へ行くと400万円が管理職の給与になってしまいます。また、ある地方で優良企業とされている会社が工場長を募集したとき、給与を確認したら500万円でした。それぐらい地方の給与水準は低いのです。

 このため、地方へ転職する人は介護や育児など何らかの特別な事情を持っている人が多くなります。事情がなければ1200万円の仕事から400万円の仕事に転職しようとする人はあまりいないでしょう。そして、特別な事情がある人はほんの一握りです。

 視点を地方企業の側に移すと給与水準が低く、魅力的な仕事のオファーをあまり出せないために優秀な人材を中途採用できないという状況に陥っています。

地方への転職を増やすには
魅力的な求人を増やせ!

 そこで私たちが取り組んでいるのが、顕在化していない求人の掘り起こしと給与水準の向上です。もちろんすでに顕在化している求人をいただいて人材を探すこともしますが、「御社がビジョンを実現するにはこういう人を採用すべきではないですか?」「後継者はどうお考えですか?」「二代目の番頭となるべき人材は採用できていますか?」などとアプローチし、アッパーポジションのニーズを掘り起こしているのです。リージョナルスタイルが好調なのは、この取り組みが大きく影響しています。

 そして優秀な人材を採用するためには給与の向上が必要であると、経営者への働き掛けを行っています。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

丸山貴宏 [株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役]

1986年滋賀大学経済学部卒業後、リクルート入社。7年間人事担当採用責任者として新卒、中途、留学生、外国人など多岐にわたる採用を担当し同社の急成長を人材採用の側面から支える。退職後現社を設立。リクルートで実践した「企業力を超える採用」の実現のため1000社を超える顧客にそのノウハウを提供、さまざまな分野の支援を実現。また個人へのキャリアコンサルティングは1万名を超え、「個人の本気に火をつける」面談には定評がある。49歳。1963年生まれ、いて座。

 


転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏

35歳以上の転職がもはや当たり前の時代になり、これからはより多くの人が転職を意識することになる。しかしそのときに「転職の作法」を全く知らないがために、失敗し続けてしまっては本末転倒だ。この連載では、失敗した人を具体的な事例として出しながら、何が悪かったのか2万人を見てきた転職コンサルタント丸山貴宏の視点で一刀両断。成功へと導く手助けをします。

「転職で幸せになる人、不幸になる人 丸山貴宏」

⇒バックナンバー一覧