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iPhone商法が真の標的?公取委報告書の中身

週刊ダイヤモンド編集部
2016年8月23日
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 公正取引委員会は8月2日、携帯電話市場の取引慣行の課題を記した報告書「携帯電話市場における競争政策上の課題について」を発表した。同書では通信料金と端末料金の一体化や「2年縛り」による利用者の期間拘束、端末の利用を特定キャリアのSIMカードだけに制限する「SIMロック」など、これまでキャリア各社で行われてきた商慣行を問題視。独占禁止法に違反する事実が認められた場合には厳正に対処するとけん制している。

総務省の規制が通信事業者に限定されるのに対し、アップルのようなグローバル企業にも対応できる公取委の役割は重要だ  Photo by Hiroaki Miyahara

 スマートフォンをめぐっては総務省の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」による昨年末の取りまとめを受け、今年4月から「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」の適用が開始。高額なキャッシュバックによる「0円端末」商法などが是正されている。今回の報告書はそのガイドラインからさらに一歩踏み込んだ内容であり、公取委としては、仮想移動体通信事業者(MVNO)の新規参入など携帯電話市場における競争を促進したい考えだ。

 報告書を受け、MVNO大手のインターネットイニシアティブの鈴木幸一会長は「これまで独占に近かったモバイルの世界にも公平な競争、新しい形での参入要件が出たと捉えている」とコメント。一方で大手キャリアは「本当に競争が阻害されているか明確にしていく必要がある」(吉澤和弘・NTTドコモ社長)、「タスクフォースである程度はカバーされたのではないか」(田中孝司・KDDI社長)と静観する構えを見せている。

本当の狙いはアップル?

 総務省のガイドラインの適用が開始されて間もないにもかかわらず、なぜ公取委は新たに報告書を発表したのか。ある大手キャリア関係者はその理由について「本当の標的はアップル」と語る。

 公取委が発表した報告書では携帯電話市場の商慣行に加え、中古端末の流通促進についても触れられている。そこで指摘されているのは中古端末の「不当に高い」下取りや、買い取った端末の流通を制限する行為が独占禁止法に抵触する可能性があるということ。そしてこの指摘の先には米アップルのiPhoneがあるというのだ。

 アップルはiPhoneを取り扱うキャリアに対し、販売台数や端末の取り扱いなど厳しい条件を課している。「下取りされた端末が国内の中古端末市場でほとんど流通していない」という報告書の記述からも分かるように、アップルが新品の販売価格を維持するため、下取りした端末についても何らかの条件を課していると公取委はにらんでいるようだ。

 新型のiPhoneは今秋にも発売される見通し。従来通りなら買い替えによって多くの端末が下取りされるタイミングだ。公取委の指摘を受けてどのような対応に出るのか、キャリア各社の動向が注目される。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 北濱信哉)

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