運航経費の助成や、着陸料の支援などに税金を投入し、LCCの就航路線を維持している茨城空港
Photo:実田謙一/アフロ

 訪日客を運んでくる外国からの航空機は、地方経済を支える重要なパイプとなっている。訪日客誘致の大号令がかかる中で、まずはチャーター便を誘致し、空港間に直行便を飛ばすことは、多くの都道府県や政令指定都市の大きな目標となってきた。

 国際チャーター便が定着すると、定期便の就航に切り替わるケースもある。2016年10月、大連-北九州間に「天津航空」の定期便が就航した。定期便に踏み切ったのは、前年の平均搭乗率が90%を超えるという好実績だったためだ。

不安定な中国路線
拡大から一転して運休も

 しかし、日中間の路線は不安定だ。「中国東方航空」の松山-上海便は、14年、15年と数ヵ月間にわたる欠航があった。15年2月の愛媛新聞の報道によると、「14年、県は欠航をしない条件で4~6月に計3200万円を助成」したという。航空会社に対し損失補てんをする代わりに、路線を維持させたというわけだ。その効果で、同年6月の搭乗率は57%にまで回復したが、それ以降は再び低迷している。

 また、09年に開港した静岡空港は、東京と関西を結ぶゴールデンルートの入り口でもあり、富士山に最も近い空港として多くの中国人客が利用、中国路線は14年7月末で3路線13便だった乗り入れが、15年7月末には13路線週47便にまで拡大した。ところが、16年は一転して減少、運休が相次ぎ、17年2月時点で上海経由武漢、寧波、杭州、南京の4路線だけになってしまった。