ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国人クルーズ旅行市場に世界が虎視眈々、後れをとる日本

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第296回】 2017年1月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 今回も、前回に続いてもう少しクルーズの話をしたい。

 前回、このコラムでは、「約6年半前の2010年3月6日、私は日本国内の全国紙にこのようなタイトルで、中国人観光客がクルージング用の大型豪華客船に乗って世界中を旅行する時代が訪れた、とコラムで取り上げた」と書いたが、実は私の報道より2年も前に中国でクルーズ旅行の訪れを予兆的にしかも大々的に取り上げた人がいた。女流作家の畢淑敏さんだった。

 彼女は2008年5月14日から、息子の盧淼さんとともにピースボートに乗り込み、横浜を出発して世界一周の旅に出た。のちにその旅行経験をもとに『畢淑敏母子航海環球旅行記』(畢淑敏親子の世界一周の航海旅行記という意)、『藍色天堂』(青い色の天国)という本にまとめた。盧さんも『環球航行百日記』という本を出版した。

 数年後の2011年、畢さんたちの呼びかけで、企業の援助を得て、青島の中国海洋大学の教員と学生7名がピースボートに乗って、ベトナム、シンガポール、スリランカ、ヨルダン、エジプト、トルコ、ギリシャ、イタリア、フランス、スペイン、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ロシア、ドミニカ、パナマ、グアテマラ、コロンビア、メキシコなどの国々の22の港町に寄港しながら,世界一周の旅を体験した。これはおそらく中国国民の団体での初めてのクルーズ船旅行体験といってもよさそうな出来事だ。

 今年12月9日、横浜を出航したピースボートに、上海で乗り込んだ乗客の中に、8年前、雑誌に掲載された畢さんの旅行記を読んだ大連の人がいた。その方はそれ以降、ずっとクルーズに乗る夢を見ていたという。これまでの8年間、何度も挑戦したが、いずれもビザやその他の問題でうまく行かなかった。今回はようやく念願のクルーズ旅行が実現でき、喜びもひとしおだ。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

「莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見」

⇒バックナンバー一覧