>>(上)より続く

 そして、東京・大阪で民主党は議席を獲得できてない。東京では共産党と無所属が野党枠をとり、大阪では共産党と「維新」が野党の議席を獲得している。つまり、参院選において民主党が勝てる見込みは全くない。一方の比例においても、民主党は労働組合の元幹部ばかりであるから、民主党はただの「労組党」になってしまう。2013年の参院選で民主党の比例で当選した議員はたった7人だが、そのうち6人が労働組合の組織議員という状況である。

【民主党】

1. 271,553票 磯崎哲史(自動車総連)
2. 235,917票 浜野喜史(全国電力関連産業労働組合)
3. 235,636票 相原久美子(自治労)
4. 191,167票 大島九州男(経営者、市議会議員)
5. 176,248票 神本恵美子(日本教職員組合)
6. 167,437票 吉川沙織(情報労連・NTT労働組合)
7. 152,212票 石上俊雄(電機労働組合)

 つまり、橋下徹氏の立場に立てば、民主党と合流することにメリットなどないことになる。いっそ「第三極」の座を狙うか、小さくまとまって関西から与党にプレッシャーを与える存在になる方が、政治権力を維持することができる。

 橋下徹なき旧「維新の党」と労働組合出身者以外選挙に勝てない民主党が合流したところで、弱者の寄り合い政党でしかない。衆参で717議席中151議席の勢力になったと誇示したところで、結局次の選挙で大敗が確実視されている限り、期待は集まらない。

 自民党がバラバラでも批判を受けないのは「強い与党だから」であり、野党がバラバラだと批判されるのは、実は政策や思想が問題なのではなく、「弱者の集合体」でしかないところにクリティカルな原因があると言えよう。

「サヨク」のレッテル貼りをされた
民主党が目指すべき世界とは?

 そして、最後に挙げるべき第三の理由が、やはり民進党の掲げる政策の問題である。端的に言えば、旧民主党の人気がなかなか上がらなかった原因の1つに、「民主党=サヨク政党」というレッテル貼りがされたことがある。