“河村陣営”が圧勝した2つの理由

 6日に投開票された愛知・名古屋のトリプル選挙は、“河村陣営”の圧勝に終わった。

 それにしても、知事選で当選した大村秀章氏、市長選で当選した河村たかし氏は、共に2位の候補の3倍も得票している。「ぶっちぎりの勝利」とはこういうことを言うのだろう。

 勝因についてはさまざまな分析がされているが、私から見て大きい勝因は2つある。

 1つは、本欄でいつも指摘している「政治と行政の内部でのムダ使いの排除」の主張と実績。

「税金で食っとる方が楽して、払っとる方が苦労する政治を変える」

 実に簡明なメッセージである。彼は率先して市長の報酬を800万円まで引き下げた。「市民税の10%減税」も一定の効果はあったと言えるが、それほど大きな勝因ではないと思う。ムダ使いの排除を徹底すれば、あえて減税しなくとも多くの市民は支持しただろう。

 もう1つは、河村氏の公約を守ろうとする強い姿勢である。

 折から菅直人政権が公約を平気で改廃している。市長選で民主党支持者の77%が民主党系候補を差し置いて河村氏に投票(朝日新聞出口調査)したのも肯ける。

 愛知県は今まで「民主党王国」と言われ、前回総選挙でも15の小選挙区のすべてを独占した。その愛知の民主党が総崩れとなったのだ。

 この2つは、他でもない一昨年の政権交代で有権者が民主党に最も期待したものであった。

ただならぬ“愛知ショック”の影響
菅政権の弱体化は一層進む

 今回の選挙結果は、いやでも目前の統一地方選挙に影響を及ぼし、菅政権を一層弱体化させるに違いない。

 予想される大きな影響を2つ挙げておく。