世の中には「公務員」という仕事があります。公務員と聞いて、思い浮かべる事はなんでしょう。

 例えば、市役所や都庁・県庁で働いている方々や、警察官、消防員などでしょうか。あるいは「安定・転勤無し」といった事を想像される方も多いかもしれません。

 公務員と一口にいっても、国家と地方、本省(本庁)などで仕事の質や量は変わってきます。職種という言い方をしたら、それこそ教師や警察官、消防士、自衛隊などで勤務環境や待遇も異なります。

 本記事は、あくまで就職できない若者をテーマとしている為、公務員の詳細については触れません。ただ一言だけ言わせていただくならば、「公務員」という仕事は実に多岐に渡る職種で構成されているということです。もちろん公務員という仕事を否定している訳ではありません。

 今回はそんな公務員になろうと頑張りながらも、なかなか試験に合格しない公務員浪人生について書いていきたいと思います。

公務員試験に受かっていないのに
なぜか“お役人”気取り?

ケース1)「民間もいいかな」の一言が引き金に…

 大学在学時から公務員試験を受け続け、4度目の公務員試験も全て落ちてしまい民間企業への就職へと方向転換をしたAさん。この「民間もいいかな」というのは、企業採用担当者からの、いわゆる「志望動機」のような質問に対するAさんの回答でした。

 正確な回答はこうです。

「これまでは地域の発展や、活性を促すために公務員を希望しておりました。ただ、本気でそれをやろうと思った時に公務員という職種でなくても、民間もいいかなと思いまして」

 面接終了後に、採用担当者が苦笑しながらボソリとつぶやいていました。

「気分はお役人なのですかねぇ……」

 私見ですが、基本的に地域の発展や活性化に貢献したい、という気持ちに嘘は無かったと思います。ただ、あまりにも漠然とした志望動機な上に、基本的に公務員志望だったことがある種の“上から目線”を生み、採用担当者の懸念材料になってしまったのではないでしょうか。