米連邦準備理事会(FRB)は日本時間17日午前4時、米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを25bp引き上げ、0.25~0.50%にすることを決めた。利上げは2006年6月末以来、9年半ぶり。利下げも含めたFF金利の変更は、2008年12月以来、7年ぶりとなる。
日本経済にとって、特に注目すべきは為替市場への影響だろう。2016年のドル円見通しについては、上昇(ドル高・円安)を見込む声がある一方で、横ばい圏での推移に留まるとの見方や、下落に転ずるとの見方も示されている。一昨年、昨年はドル円の上昇が続くとの見方が大多数だったことを考えると、来年のドル円見通しはバラつきが大きくなってきている。
米金利上昇と日銀の緩和姿勢継続で
ドル買い優勢が続くと見るのが自然
FRBが、その後も経済指標次第としたものの、利上げを続ける意思を示したことで、米債利回りは短期債を中心に上昇。今後も利上げ継続観測を背景に米債利回りは上昇基調での推移が予想され、米金利の上昇を背景にドルは買い優勢の動きが続くと見るのが自然だろう。
一方で、日本銀行(日銀)は、来年も緩和姿勢を続けることがほぼ確実。黒田日銀総裁は追加緩和に慎重な姿勢を示しているが、2%物価安定目標のターゲットとされている生鮮食品を除いた消費者物価指数は、小幅ながら3ヵ月連続の前年割れ。2013年4月から続けられている量的・質的金融緩和が強化されることはあっても、日銀が緩和姿勢を弱める(いわゆる出口戦略に着手する)とは考えられない。
昨年、今年と為替市場で意識されてきた日米の金融政策の違い(ダイバージェンス)は来年も続くことになる。