なぜ、アニメオタクは「ヘイト報道」の標的になるのか?オタクは悪なのか?(イメージ)

 4月10日に大阪市阿倍野区の43階建てタワーマンションで最上階に住む小学1年生の女の子(6)が倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認された。部屋の窓が外向けに開いており、外に身を乗り出して約140メートル下に転落したとみられている。

 この痛ましい事故において、各メディアで大きくクローズアップされたのが「空を飛ぶアニメ」の存在だ。

 事故発生の直前、女の子は父親らとともに居間でアニメDVDを見ており、阿倍野署からの捜査情報で「登場人物が空を飛ぶシーンがある」とメディアに伝わった。同署は「因果関係はわからない」としていたが、各ニュース番組や新聞報道などは「アニメの影響」を疑う論調が非常に目立ったため、ネット上では「何でもアニメに結び付けるな」との声が相次いだ。

 今年3月に埼玉・朝霞市の女子中学生(15)が行方不明から2年ぶりに保護された事件では、未成年者誘拐の疑いで逮捕された男が「女子高生アニメ」に熱中していたと一部スポーツ紙で報じられた。いかにも怪しい響きで容疑者の異常性を強調するパワーワードだ。容疑者はそのアニメのキーホルダーをカバンにつけていたという。

 これを各ワイドショーなども引用して伝えていたが、この「女子高生アニメ」とは、かつて大ブームを巻き起こした『涼宮ハルヒの憂鬱』だった。