ふたりで力を合せれば、1億円も夢じゃない!
『夫婦で貯める1億円!』を出版された花輪陽子さん、花輪俊行さんによる連載1回目のテーマは、「お金のことや将来の夢のこと、夫婦で開示し合っていますか?」。夫婦でバラバラの方向を向いて頑張るより、一緒になって目標を追う方が、効率よく夢の実現に近づけます!

突然のリストラ

「私、会社をクビになっちゃった」

 2009年4月、自分の身に起きていることが理解できないまま、とにかく私は夫の携帯に電話をかけていました。8年間勤めていた会社から、いきなりリストラを言い渡されたのです。

 リストラということは来月からの収入はなくなってしまうのか、退職金は出るのだろうか。
  夫の勤め先も民事再生の手続き中だったので、夫の月収も激減しています。
 明日からの生活はどうなるのだろう。次から次へと湧いてくる不安な気持ちと、何から手をつければいいのかわからない混乱の中で、私は途方にくれていました。

 これは私たち夫婦が結婚して半年も過ぎないうちに起きた出来事です。

 結婚式を挙げた時の私たちは希望に満ちていて、将来に対してなんの不安も感じていませんでした。新居も、共稼ぎの収入を前提とした部屋に住んでいました。一人暮らしの頃から考えると結構高くても、共稼ぎだから大丈夫という計算をしていました。

 でも、状況は一変しました。夫の勤め先が民事再生、私がリストラ――。そんな状況では、すぐに引越し先を探さなくてはいけません。結婚を機に夫が入った貯蓄型の生命保険も結構な出費です。途中解約ではこれまで積み立ててきた分がパーになってしまいますが、目の前の生活が優先ですのでこちらも解約。他にも削れる出費はないか、夫婦で目を皿のようにして家計を見直しました。とにかく目の前のことを乗り越えるのに必死でした。

 ここまで読まれて、皆さんはどう思われたでしょうか。
「新婚早々、大変だったんですね」
 と言っていただけることがあります。しかし、このお話をしたのは私たちの苦労話を聞いてほしかったからではありません。このコラムを読んでくださっている皆さんにとっても、他人事では済まされない話なのではないかと思っているからです。

 私たちのように、夫婦ふたりが同時期に仕事を失うというケースはあまりないかもしれませんが、会社の倒産やリストラに遭遇することはあるかもしれません。
「うちの会社は大丈夫」とは誰も言えないような時代になっています。
 自分たちの生活は、自分たちで守らなくてはいけない時代なのです。