「TOEICで730点を超えられない」

「語学留学をしてもペラペラにならなかった」

「ネイティブとの英会話でも上達しなかった」

 これまでいろいろな英語学習法を試してきたのに、「うまくなった!」という実感を持てない。そういう人は多いはず。ちまたには、ネイティブの先生がマンツーマンで対応してくれる英会話教室、低価格で行ける短期の語学留学、種々のリスニング教材などなど、英語学習にはたくさんの手段があります。

 ところが、それらのなかには「非常識」な学習法もずいぶんあるそうです。

「英語がうまくなりたいなら、まずは発音を直しなさい」

 そう断言するのは、『1年海外留学するよりも英語がうまくなる 完全独習英語発音トレーニング』の著者・竹内真生子さん。今回から始まる全5回の連載では、長年にわたり「なぜ、日本人はこれだけ勉強しても英語ができるようにならないのか?」という疑問に取り組み続けている竹内さんに、誤解にみちた日本人の英語学習法について語っていただきます。

「聞き流すだけで話せるようになる」はウソ

 日本人が「英語をできるようになりたい」と考えた時、一番にやるのがリスニングの練習かスピーキングの練習です。

 たとえば、学習用教材、ニュースやラジオ、映画などで毎日のように英語をシャワーのように浴びていれば、知らないうちにリスニング力がアップして、ネイティブと普通に会話ができるようになり、そのうえ発音もきれいになる。もし、みなさんのなかにそう信じている人がいるとしたら、今すぐ忘れてください。たくさんの日本人が信じている、その「常識」はまったくのデタラメです。

 人間は「知らない音」を何千回、何万回聞いても決して理解できるようにはなりません(これについては次回の連載で詳しく書きます)。私は都内で英語の発音矯正をおこなうスクールを主催していますが、その生徒さんのなかにも、何十万もする英語教材をローンで購入したものの、まったく英語ができるようにならなかったという人が何人もいます。ちなみに私自身も、かつて「聞き流すだけ」の教材に手を出して、ずいぶんおかねをムダにしてしまいました。