深刻な悩みというわけではないが、ことあるごとに「何とかならないか」と思うのが視力の矯正だろう。裸眼で生活ができる現代人はずいぶんと減ってしまった。

 メガネやコンタクトレンズを利用して近視や老眼対策を行なっていても、今度はドライアイや花粉症による悩みがついてまわる。日本のドライアイ人口は2000万人を超えているが、コンタクトレンズを利用すると涙の交換率が2割以下にまで減少してしまうという。

 1つの解決方法として話題になっているのが、レーザー手術による視力回復だ。レーシックやPRKと呼ばれるものは、レーザー照射によって眼の角膜を薄く削るなどしてカーブを変え、角膜の屈折力を調整することで、近視・乱視・遠視の矯正を行う。

 日本では、2000年に厚生労働省に認可されて以降普及し始めている。

 眼にレーザーをあてるというと、ちょっと尻込みもしてしまうが、手術時間は数十分程度で、痛みもほとんどないという。もちろん入院する必要もない。

 誰でも手術が受けられるというわけではなく、角膜に充分な厚みがあること、白内障や緑内障などの眼疾患がないこと、重い糖尿病を患っていないことなどが条件になる。20歳未満の手術を行わないクリニックもある。

 ちなみに、遠視の矯正ができるなら老眼にも? と思う方もいるかもしれないが、そもそも老眼はピントの調節機能が年齢とともに落ちてくる現象。角膜の屈折の問題ではないので、現在のところ老眼が改善することはないといわれている。

 「医療技術は日進月歩」を実感する話だが、高度で繊細な技術ゆえ、なによりも施術してもらうクリニック選びが重要になる。手術費用もクリニックにより違いがあるものの、概して30万程度と決して安くはない。

 利用の際には評判や実績など情報収集を怠らず、きちんと納得して臨むようにしたい。