闇株新聞[2018年]

配当利回り4.9%! 日産自動車(7201)の株価が
“気持ち悪いほど”割安になっている理由
日産と三菱自はルノーの養分になる

2017年6月16日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
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日産自動車(7201)の株価が気持ち悪いほどに割安です。6月14日現在の株価は1082円、予想PER7.95倍、実績PBR0.87、予想配当利回りは4.9%です。日本を代表する自動車メーカーの一角であるはずなのに、なぜこんなにも安いのでしょう。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』がその理由を解説します。

闇株新聞:配当利回り4.9%! 日産自動車(7201)の株価が“気持ち悪いほど”割安になっている理由 日産と三菱自はルノーの養分になる

ルノーに食い尽くされて残骸になる
ゴーン氏CEO辞任で最終ステージへ

 日産自動車の配当利回りが高いのは、発行済み株式の43%を保有する親会社のルノー(フランス)が日産自動車から利益を吸い上げる手段です。しかし、高額配当はルノーにだけ支払うものではありません。ですからなおさら、この株価の安さが“気持ち悪く”感じるのです。

 確かに自動車業界の収益は徐々に落ちていくはずで、トヨタ自動車(7203)でさえ予想PER11.5倍、実績PBR0.99倍でしかありません。それにしても、日産自動車の割安さは異常です。やはり「ルノーに食い尽くされ残骸だけになる」会社の姿なのかもしれません。

 日産自動車は今年4月に(親会社ルノーのCEOでもある)カルロス・ゴーン氏がCEOを離れ、西川廣人氏が単独CEOに昇格しています。これを「ルノーが手を引いた」と見るのは逆で、実際には「いよいよ仕上げに入るための辞任」です。

 フランス社会では決して特権階級にないゴーン氏は、日産自動車や三菱自動車をいくら超一流企業に再建しても評価されません。(両社を食い潰してでも)ルノーの業績を拡大して初めて評価されるのです。

 その意味では、日産自動車CEOを兼務していたときのゴーン氏は、それでも「控え目に食い潰していた」とも言えます。

すべてはルノーの業績拡大のため
三菱自工も同様に「餌食」にされる

 フランスのマクロン新大統領は前オランド政権で経済担当大臣だった2015年、ルノーに対し日産自動車を子会社化するよう圧力をかけた張本人です(フランス政府はルノーの大株主でもあります)。この時はゴーン氏がフランス政府の介入に抵抗する形で「日産自動車が日本の会社ではなくなる事態」は回避されました。

 しかし、CEOを辞任して日産自動車に対する経営責任が軽減されたいまは、ルノーのために日産自動車(と日産傘下になった三菱自動車)を容赦なく食い尽くすことができます

 今度はルノーによる日産自動車の子会社化をゴーン氏が自らの手で進めることになり、いよいよ日産自動車と三菱自動車は実質的に日本の会社ではなくなってしまいます。

 その時期は今年ではないようですが、ルノーからは今後もディーゼルエンジンの燃費データ偽装が出てくるはずで、その対策に巨額の費用が必要になります。ルノーCEOとしてもゴーン氏はなりふり構っていられなくなるなるでしょう。

 そう考えていたら数日前に、ルノーと日産自動車のNo.2を同一人物にして、将来的には自らの後継者とするための人選に入っているとの報道がありました。何人かの候補者がおり、山内康裕氏(西川氏は日産自動車トップなので対象外)の名前もありますが、最終的にはフランス人となるはずです。

 つまり、日産自動車の株価が気持ちが悪いほど安くなっているのは、いよいよルノーに食い尽くされる最終段階に入っていることを如実に示しているわけです。もう日本に取り戻すことはできません。

参考記事:
「シャープ」と「三菱自動車」、負け組として外資の傘下に入った両社を待つ悲惨な運命とは?(2016年5月18日)
【緊急提言!】今すぐ日本政府主導で仏政府が画策するルノーと日産の合併を阻止せよ!(2015年11月13日)
フォルクスワーゲン不正問題は、日本のチャンス!今こそ日産自動車をルノーから取り戻せ(2015年10月2日)

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技術力には定評のある日産自動車が、フランス企業の手に落ちてしまったのは国益に鑑みれば大きなマイナスです。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では、ずっと「オール日本で日産自動車を取り戻せ」と主張してきましたが、これで万事休すとなってしまいました。もはや外資に取りこまれた企業がどのような末路をたどるのかを見届け、今後の教訓とするくらいしかないようです。

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