
「地球上で最も豊富な品揃え」をウリに売り上げを拡大するアマゾン。
近年はアマゾン直販以外の商品も増えている。高度なWebマーケティング技術と物流管理が結合することで、出品事業者には新たなメリットが広がる。


アマゾンは、1995年に米国でスタートしたオンラインショッピングサイト。グローバルでの売上高は、2010年度には342億ドル(連結、約2兆6500億円)を超えた。前年比40%という大幅な伸びだ。
日本のサイト Amazon.co.jpの開設は今から11年前のこと。当初は書籍のみの取扱だったが徐々に取扱品目を増やし、現在は、家電、パソコン・オフィス商品、食品・飲料、ファッション、アウトドア、クルマ・バイク用品まで、その品揃えは5000万種を超える。
アマゾンで買い物をするユニークユーザー数は月間4200万人以上(11年10月現在・コムスコア調べ)。国内のeコマース(EC)サイトとして最大規模、「地球上で最も豊富な品揃え」という呼称も決して大げさではない。

アマゾンで販売される商品は、アマゾンが仕入れて直販するものだけではない。アマゾン以外の企業や個人事業者が商品を自由に出品できるのだ。米国では「マーチャント@Amazon.com」と呼ばれ、日本でも07年から始まった「Amazon出品サービス」である。
出品サービス(大口出品)では、アマゾンが販売していて同社のカタログ・データベースに存在する商品を、出品者も自社の価格設定で販売できる。販売手数料はかかるが、月額固定費用は4900円だけ。
アマゾンにない新規商品の登録も可能で、出品ツールを使って複数の商品を一括して登録できる。
「今では直販より出品者の商品のほうがアイテム数で上回るまでになりました。購入者はアマゾン直販と出品者の商品を、価格・送料・納期などを比べて選択することができます。家電、雑貨、キッチン用品が売れており、コスメティックなどのパーソナルケア、食品やアパレルのジャンルも伸びています」
と語るのは、アマゾンジャパン・マーチャントサービス事業本部の前田宏本部長だ。
出品商品は1商品1ページで自動的に生成される。出品者はわざわざ自社の商品ページを作る必要がない。決済機能もすべてアマゾンが代行。販売手数料にはクレジットカード決済手数料も含まれる。モバイル向けの商品画面も自動的に作られるから手間が要らない。
アマゾンには、目当ての商品をたちどころに検索できるデータベースや検索エンジン最適化(SEO)技術、顧客の購買傾向に基づいて新たな商品を薦める「おすすめ機能」など、高度なWebテクノロジーに支えられたマーケティング機能が豊富だ。これらを利用できる点も、出品者には大きな魅力となるはずだ。


出品サービスのオプションサービスとして、08年からスタートしているのが、FBA(フルフィルメント by Amazon)だ。フルフィルメントとは、商品の発注から決済、ピッキング、配送までのトータル業務のこと。ひと言でいえば、出品者が提供する商品をアマゾンの物流センターで預かり、出荷にかかわる手配を代行するサービスだ。
商品を個別に梱包し、出荷する手間と梱包資材費が省けるうえ、カスタマーサービスや返品受け付けもアマゾンが対応してくれる。在庫保管手数料は、商品体積と保管日数に応じた変動制料金設定なのでリーズナブル。さらに「通常配送料無料」や「当日お急ぎ便」「お届け日時指定便」などのスピーディな配送や期日指定にも対応している。
「FBAは24時間365日稼働ですから、繁忙期に出荷に手間取って、販売機会を逃すということがなくなります。FBAの導入で、売り上げが導入前の30倍に増えたというお客様もいらっしゃいます。試験的に売れ筋商品だけをFBAに預けるという使い方も可能です」と前田本部長はFBAの利点を語る。
アマゾンでは、09年10月からは「FBAマルチチャネルサービス」と称して、他のECサイトで売れた商品も、アマゾンの物流センターから配送代行するサービスを始めた。つまり出品者は、在庫をECサイトごとに分散管理する手間が省けるというわけだ。
出品者とともに品揃えを拡大し、サイトをより魅力的にするための努力を続けるアマゾン。
高度なWebマーケティングのノウハウと物流システムが合体することで、中小規模の事業者がECビジネスに参入する垣根は、格段に低くなったといえよう。

問い合わせ先
アマゾン ジャパン
http://services.amazon.co.jp/diamond