ウィルコム、バッファロー、三洋電機の3社が共同開発する無線LANアクセスポイント「どこでもWi-Fi」が、2009年春頃に発売される予定だ。

 ウィルコムの「W-SIM」を採用したPHS回線を通じてインターネットに接続することが可能。筐体はバッファロー製で、電源は三洋電機の充電池「eneloop」の単三型を4本使用する。

 ターゲットは、ずばりゲームユーザーだ。どこでもWi-Fiがあれば、ニンテンドーDSやPSPといった携帯ゲーム機で、手軽にインターネット対戦をすることができる。複数の機器が同時にインターネット接続することも可能だ。

 また、iPod touchにも対応。これまで、無線LANの電波が届くところでしかアプリや楽曲のダウンロードが行えなかったが、どこでもWi-Fiがあれば、iPhone並みに場所を選ばずインターネット接続をすることができるようになる。

どこでもWi-Fi
バッファローの一発簡単接続機能「AOSS」搭載で、携帯ゲーム機やiPod touchで簡単にネット接続ができる。

 通信速度は最大204Kbps。ウィルコムのPHS通信網は全国の99.4%をカバーしているので、ほぼどこからでもインターネット接続が可能となる。

 もちろん、ゲーム機だけではなく、無線LAN機能のあるノートパソコンなどからも利用できる。どこでもWi-Fiを持っていれば、メールチェックのためにわざわざ公衆無線LANスポットを探す必要もなくなるというわけだ。

 しかし、現段階ではまだいくつかの問題点もある。

 まず、本体は70w×110H×30Dmm、約270gと持ち運びに便利な超小型だが、本体に充電機能が搭載されていない(充電器は同梱)。せっかくeneloop充電池を採用しているのに、本体で充電できないのはやや不便だ。

 ちなみに、連続稼働時間は2時間となっている。ゲームに熱中していたら、2時間は長いか短いか、微妙なところだ。

 また、初期設定は無線LANを通じて、パソコンから行う。つまり、パソコンを所有していないと、設定はできない。ニンテンドーDSやPSPから設定できたほうが、ゲームユーザーには親切だろう。

 とは言え、手軽にWi-Fi環境を持ち運べるモバイル機器としてはかなり魅力的だ。

 現在、ウィルコムのデータ通信料金としては「新つなぎ放題」(月額3880円)があるが、おそらく最大でもこの料金体系となるだろう。どこでもWi-Fi用の新料金プランの登場にも期待したい。

 もう、ゲーム機片手に無線LANスポットを探す必要もない。どこでもWi-Fiがあれば、そこが無線LANスポットとなるのだ。

(三浦一紀)