【第72回】 2009年10月28日
ツイッターの“つぶやき連鎖”をビジネスでどう活用するか
個々のユーザーが140文字以内の“つぶやき”を投稿し、それを他のユーザーがフォロー(読者登録)することでコミュニケーションが発生するミニブログサービス「twitter(ツイッター)」が人気だ。国内のユーザー数もうなぎ上りで、今年1月に20万人だった利用者数(サイト訪問者数)が9月には257万人に急増している(ニールセン・オンライン調べ)。10月半ばには携帯電話向け公式サイトもオープンし利用者増に拍車がかかりそうだ。
その最大の魅力の1つが、あるユーザーのつぶやきに対し、フォローしている人(フォロワー)が返答したり、そのつぶやきが引用され口コミ的に広がったりする「つぶやきの連鎖」だ。
象徴するようなトピックスもある。例えばミリオンセラー歌手の広瀬香美さんが、経済評論家の勝間和代さんとのツイッター上のやり取りのなかで、twitterを表すアイコンである「t」をカタカナの「ヒ」と読み違え、それを見たフォロワーが「“twitter”は“ヒウィッヒヒー”と読める」と投稿。それを受け、広瀬さんが「twitterの源氏名はヒウィッヒヒーに決定」とし、そのつぶやきの内容が一夜にしてユーザーに広まった。広瀬さんは一躍ツイッター上でアイドル状態になり、その後8月にはテーマソング「ビバ☆ヒウィッヒヒー」を作詞作曲。ネット上で公開し、話題を呼んだ。
「こうして有名人がツイッターを活用することは普及の追い風になる」と、『ツイッター140文字が世界を変える』の著者で、ネットPR活動を支援する「レゾン」の取締役も務めるいしたにまさきさんは話す。
いしたにさん自身も、日常的にさまざまなつぶやきの連鎖を体験している。大きな事象で言うと、9月末に広告代理店勤務でアルファブロガーの佐藤尚之さんが鳩山首相と居酒屋で会食し、その様子をツイッター上でリアルタイム中継。そのつぶやきを知ったいしたにさんが冗談半分で「首相に著書を献本したい」と発信すると、それを見たフォロワーが知り合いの民主党議員に向けてつぶやき、その議員が「自分が首相官邸に届ける」とさらにつぶやいた。そして数日後、本は実際に官邸に届けられたのだ。
![]() |
| ツイッターの画面(http://twitter.com/fujiyacamera)。フジヤカメラはフォロワー数が約3000にも上る。 |
ツイッターに注目し、企業が活用する事例も生まれつつある。朝日新聞、毎日新聞、Yahooショッピングなどが目立つが、注目すべきは中古カメラを販売するフジヤカメラ(東京・中野)の事例。レンズや本体の入荷速報のほか、店舗の周辺情報などもコンスタントにつぶやく。
「店で張り紙をしたり、来店者に伝えるだけでは、情報の伝わり方は少数。一方、ツイッターでつぶやけば、不特定多数に瞬く間にどこまでも広がっていく。こういった接客ツールとしての活用は非常に効果的だと思いますね」と、いしたにさん。ツイッターの利点は瞬時に広まる「鮮度」と、フランクなつぶやきからかもし出される「親近感」。ネット上での効率的な“接客”には打ってつけのツールというわけだ。
ただし、それがすぐに売上などの結果に結びつくわけではないと、いしたにさんは言う。「広告的な観点で使うと間違いなく失敗する。ユーザーコミュニケーションツールとして捉え、まずは信頼関係を作ることが大切でしょう」。
最初は誰でもフォロワー数ゼロ。日々つぶやきを重ね、自らも積極的にフォローする数を増やし、返答したり、引用したりするなどし、地道に信頼関係を築くことで、ようやく一定のフォロワーがつく。そこで、ガツガツと広告を流すのではなく、従来のつぶやきの合間にセール情報などを少しずつ入れていく。そうした距離感に配慮した使い方がポイントとなるだろう。
「ツイッターはコストはかかりませんが、距離感の保ち方なども含めたノウハウは必要。普及しつつある今から始めてノウハウを蓄積することが重要」と、いしたにさんは指摘している。
(大来 俊)
Special Topics
バックナンバー
- 第85回
- カード番号も“使い捨て”の時代に!? 痒いところに手が届く「ワンタイムデビット」 (2010年03月17日)
- 第84回
- 住所を知らない相手に贈り物ができる! ネットが変える「宅配サービスの常識」 (2010年03月09日)
- 第83回
- キーワード不要でウェブをザッピング! 検索エンジン『gururin』の超便利度 (2010年03月01日)
- 第82回
- 意外なニーズで火がつく可能性あり? 「3Dテレビ」は本当に普及するのか (2010年02月19日)
- 第81回
- 撮った画像を自動でアップロード! ありそうでなかった新デジカメが登場 (2010年01月22日)
- 第80回
- オンラインゲームが現実世界と融合 GPSを使った「宝探し旅行」ブーム到来? (2010年01月15日)
新着トピックス
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
- 日本を元気にする企業の条件
- ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
この連載について
ネット・携帯、デジタル家電・グッズ、ゲーム、新サービス…etc.。日常のあらゆるシーンで気になるIT・デジタル系の最新トレンドを紹介していく情報コラム。
アクセスランキング
- 2位
- 週刊・上杉隆
- 元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
- 3位
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 4位
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 5位
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。





