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女性社員のトリセツ

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「結婚・出産するかもしれないし…」5年後のキャリアも描けない女性部下をやる気にさせる方法

短期スパンで考える女性部下
長期スパンで考える上司

 「会社で、5年後、10年後のキャリアプランを考えろってよく言われるんですけど、よくわからない……というのが、正直な気持ちです。

 何となく5年くらい経つとプロジェクトのリーダーを任されるようになっているんだろうなとは思うんですけど、5年後っていったら私、33歳なんですよ。結婚してるかもしれないじゃないですか。だったら、会社と業務委託契約を結んで在宅勤務っていう選択肢もあるし、旦那の稼ぎが良かったら専業主婦っていう手もあるのかなと。まあ、相手はまだいないんですけどね」

 こう笑いながら話してくれたのは、システム開発会社でSEとして働く、28歳の堅実キャリアさん。6年間でサブリーダーを任されるまでに成長した彼女ですが、開発スケジュールのきついプロジェクトが多く、毎月100時間近い残業は当たり前。周囲を見渡すと、女性社員は20代、30代の若手か、たとえ既婚者でも子どものいない女性ばかり。「仕事は楽しいけれど、結婚はしたい。でも、目いっぱい働けなくなった場合、この会社に自分の居場所があるのかどうか……」と、将来のキャリアプランがうまく思い描けないようでした。

 女性部下と、面談などで将来のキャリアプランについて話し合ったとき、彼女たちの口から似たような言葉を聞いた人もいるのではないでしょうか。

 「会社から、女性管理職を育てろと言われているのに、肝心の女性部下自身が結婚や出産までのキャリアプランしかもっていないんだから……。これだからオンナはダメなんだ」と苦々しく思っている上司もいるかもしれません。

 20代後半になって自分の強み、弱みが見えてくると、「30歳を過ぎたら営業マネージャーになりたい」「いまは営業だけど商品企画をやってみたい」といった具体的なキャリアイメージがわいてくることが多い男性部下とは、対照的といえるでしょう。

 これは、第2回でお話した主体性を生む反面、「私が、私が!」という強い自分軸を育ててしまう「締め切り意識」が関係しているようです。締め切り意識には、実はもうひとつの「功罪」があるのです。「女性という社会的に弱い立場や多少のストレスを乗り越え、絶対にやり遂げよう」というハングリー精神を養う一方で、「結婚・出産までにこのスキルを身につける」といった短期スパンでしか物事を考えられないという偏りを生んでしまうことです。

 先に登場したSEの堅実キャリアさんもそうですが、キャリアアップに意欲的なものの、結婚や出産といった不確定要素があるために、「その先」にある「管理職になり違うステージから仕事を俯瞰していく」「部署の枠を超えた大きなプロジェクトを手がける」「スペシャリストになって最先端の仕事を担う」というところまで、なかなか関心がいかないのです。

 リクルートが、首都圏の男女6500人に転職やキャリア開発などについて聞いた「ワーキングパーソン調査2006」にも、はっきりと女性社員のこうした傾向が表れています。25~29歳の女性で「5年後の明確なキャリアイメージをもっている」と答えたのはわずか1.8%。同世代の男性が9.1%ですから、実に5倍もの開きがあるのです。

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著者プロフィール

前川孝雄
(FeelWorks代表取締役/人材活性化コンサルタント)

リクルートにて「リクナビ」「リクナビCAFE」「就職ジャーナル」「ケイコとマナブ」「好きを仕事にする本」「Tech総研」など史上最多といわれる就・転職・キャリア教育媒体編集長を歴任。08年に感情とコミュニケーションを鍵にした人材育成支援の「FeelWorks」設立。年間100本超のセミナーもこなし、個人のキャリアを応援するゼミも開き、キャリアナビゲーターとしても活躍中。「上司力」を提唱する第一人者。
株式会社FeelWorks(フィールワークス)

この連載について

男性管理職にとって悩みのタネは女性社員。こんなに気遣っているのに、どこかしっくりこないのはなぜ? 女性社員の本音と上手なつき合い方を解説していく。

前川孝雄氏の人気著書「女性社員のトリセツ」

職場における男性の上司と女性の部下のすれ違いは、昔も今も変わりません。特に「女性活用」が避けられなくなった今、「女性社員」という悩みのタネはますます上司を苦しめるはず。女性社員の生の声を拾いながら、女性社員の頭の中と上手なつきあい方を解説します。1500円(税込)

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