本年12月7日から18日まで、デンマークのコペンハーゲンで、気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(通称COP15)が開催される。
京都議定書では、2012年までに参加国全体でのCO2排出量を、1990年に比べて5%減らすことが目標とされており、年末のCOP15は、2013年以降の目標や枠組みの決定を目指す「重要な会議」と位置づけられている。
日本などの先進諸国の政府は、それに先立って、2020年までの目標を相次いで表明している。麻生首相が「2005年比15%減(90年比8%減)」を目標とすると、6月に記者会見で発表したことは記憶に新しい。
一方、民主党はマニフェストにて、「2020年までに温暖化ガスを25%削減(90年比)するため、排出量取引市場を創設し、地球温暖化対策税の導入を検討します」と公約。 選挙を通じて有権者の支持を得た。ちなみに、同マニフェストには「太陽光パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入を助成し、温暖化対策と新産業育成を進めます」との記述もある。
論点は、このように多岐に渡っているが、本連載でも産業の振興についての話題を多く取り上げてきたところであり、今回は、排出権にフォーカスをあててみたい。
排出権購入をあてにした
温室効果ガス排出量削減
1990年が京都議定書の基準年となっており、この年、日本では12億6100万トンのCO2が排出されていた。2008年から2012年の5年間が約束期間となっており、6%減らした量、つまり毎年11億8600万トンが日本に割り当てられた排出枠という計算だ。
2005年に作成され、2008年3月に改定された「京都議定書目標達成計画」によれば、産業、国民全体で削減策を推進することによって、6%減らすうち、0.8~1.8%の削減が見込まれる。次に、森林吸収により3.8%減らすことが見込まれる。
但し、これだけでは6%を達成することはできない。そのため、0.6~1.6%を外国から“炭素クレジット”の形で購入する必要があると計算されている。約12億トン(90年時点)の1.6%とすると、約2000万トンであり、2008年~2012年までの5年分では約1億トンとなる。