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吉田恒のデータが語る為替の法則

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欧州通貨危機の再燃は
あるのだろうか?

 今週は、欧州などで追加利下げが見込まれています。これを受けて、欧州通貨の一段安再燃となるのでしょうか。そしてクロス円(※)全体はふたたび急落に向かうのでしょうか。それを考える上で、私は対日金利差に注目したいと思っています。

(※編集部注:「クロス円」とはドル以外の通貨と円との通貨ペアのこと)

日独長期金利差でユーロ
反発はうまく説明できる

 前回のレポートでも書いたように、2月中旬にかけてユーロ/円は115円前後まで急落しましたが、このきっかけは中東欧通貨危機などとされていました。ところが、このユーロ急落は2月中旬で一巡、その後は一転して最大126円までユーロ急反発となりました(「2・17「中川ショック」などから、円の「安全神話」がついに崩壊!」参照)。

 急落のきっかけとされた中東欧通貨危機が終わったわけではないでしょう。それどころか、この問題は最近もくすぶり続けており、一部中東欧諸国の懸念は一段と深刻化しているようです。

 にもかかわらず、ユーロが反発に転じた動きをうまく説明できるのは金利差であることを、私は前回のレポートで紹介しました。日独長期金利差(※)の「ユーロ優位」は、2月中下旬に1.7%割れで縮小が一巡し、一時1.8%超へ拡大しました。金利差「ユーロ優位」縮小の中でユーロは売られ、「ユーロ優位」再拡大でユーロ反発となったわけです。

(※編集部注:「長期金利」の代表は10年物国債の利回り。「日独長期金利差」とは、「ドイツの10年物国債の利回り」から「日本の10年物国債の利回り」を引いた数字のこと)

 このようにユーロ/円の動きをうまく説明できる日独長期金利差ですから、今後のユーロ/円の行方を考える上でも、日独長期金利差に注目してみたいと思うわけです。金利差「ユーロ優位」は、果たして再び1.7%を大きく下回って縮小に向かうのかどうか…。

 ところで、この日独長期金利差「ユーロ優位」1.7%という水準は、かなり長い間、日独金利差の下限になってきたようです。

 過去20年間について調べたところ、金利差「ユーロ優位」が1.7%を割り込んだのは一時期しかありませんでした。その意味では、基本的には日独長期金利差「ユーロ優位」は、かなり下限に近いところまで縮小したと言えそうです。

 同じようなことが日英長期金利差についても言えそうです。

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著者プロフィール

吉田恒
(T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長)

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。2004年より同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。

この連載について

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

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