米ドル/円も、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も、今ひとつ方向感のない展開が続いています。

 ただ、そういった中でも、市場参加者のポジション動向には、顕著な変化が起きていたようです。

10月から、なぜ英ポンドが
急反騰したのか?

 為替相場において、ここ1ヵ月間の目立った動きの1つに、英ポンドの急上昇がありました。

 英ポンド/円の値動きを見ると、10月中旬に140円近辺で推移していましたが、その後、一時は150円を大きく超えるまで、急反騰しました。

英ポンド/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足

 なぜ、このような大幅な英ポンド高が起きたのでしょうか?

 この質問に対する1つの回答は、「売られ過ぎていたから」ということになりそうです。

英ポンドのポジション動向

  CFTC(米商品先物取引委員会)統計は、ヘッジファンドなど、代表的な投機筋の取引を反映しているデータとして知られています。

  それによると、英ポンドのポジションは、10月中旬にかけて6万枚を超えるショート(売り持ち)となっていました。確認できる2004年以降では、最大の英ポンド・ショートです。

 その意味では、英ポンドはこの時点で、かなりの「売られ過ぎ」になっていた可能性があると思います。

 ところが、10月中旬から、英ポンドは急反騰に転じました。そうなると、英ポンドのショートポジションは、為替差損が発生するリスクが高まります。その結果、英ポンドのショートポジションは、一転して急激な縮小へと向かいました。

 CFTC統計によると、英ポンドのショートポジションは、11月に入って2万枚以下に縮小しました。英ポンドの「売られ過ぎ」が解消され、その中で、英ポンドが急反騰したことがわかると思います。

 ところで、大きな為替ポジションの調整がこの1ヵ月に起きたのは、英ポンドに限ったことではなかったようです。

 同じCFTC統計によると、日本円とユーロのポジション動向にも変化があったようなのです。

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