「元首相の孫」である
鳩山首相と麻生前首相
最近しばしば鳩山由紀夫首相と麻生太郎前首相を比べてみたくなる。
それは麻生氏が前任者であるというだけではなく、2人とも元首相の孫であるからだろう。しかも2人の祖父は特別因縁の深い仲でもあった。
言うまでもなく麻生氏は吉田茂元首相の孫であり、鳩山氏は鳩山一郎元首相の孫に当る。
昭和21年、戦後最初の総選挙で鳩山総裁が率いる自由党が第1党となる。しかし組閣直前になって鳩山総裁はGHQから公職追放の憂き目に遭う。急遽、後任総裁として後を託したのが吉田茂氏であった。
ところが、鳩山氏が追放を解除されても、吉田首相は政権を鳩山氏に譲ろうとしない。そこで、鳩山、吉田の激しい権力抗争が勃発した。その激烈さは、当時、小中学生だった私にも強い関心を持たせるほどだった。
孫の2人も、それぞれの祖父をことのほか尊敬している。鳩山首相は、祖父の「友愛」 を引き継いで旗印とするほどだ。
「上から目線」 の政治を
行うという共通点
2人は、最高権力者の傍らで子供時代を過ごしている。しかも、経済的にも何不自由ない環境だ。だからか、2人の政治観は基本的に同じという印象を受ける。
それは政治を、「弱い人、恵まれない人に対する施し」と思っているのではないかということだ。「国民の目線」 とか「国民の気持」という言葉が頻繁に発せられるゆえんだろう。特に「国民の目線」という言葉は、上からの目線を持っている人からしか出てこないような気がする。