「過剰な関わり」が部下をダメにする
前回、「過剰な関わり」の5パターンを取り上げましたが、それぞれについてどのような問題が生まれるのかを、具体的に見ていきましょう。
(1)質問型の過剰な関わり
「辞めたいんですが……」と相談に来た部下に対して、「いつからそんなことを考えてたんだ?」「辞めたい理由は何だ?」など、相手に詰め寄るように質問を浴びせる。
すると部下は、「上司から探りを入れられている」「尋問されている」と感じてしまいます。そうなると、見られたくないところまで探り出されてしまう」という思いを抱き、本音の意見を言いにくくなってしまうのです。
また、自分が答えた内容に対して「批判されたり説得されるのではないか」という恐怖心も起こってくるため、嘘をつく、自分に都合よく話を脚色する……といった反応をすることがあります。
(2)助言型の過剰な関わり
「そうか、でも焦るな。あと半年頑張ってみないか」「君の悩みなど、後で考えればとるに足りないことだよ」のように、上司の立場からすぐに解決策を出してしまう。
このように対応された部下は、「君はまだ未熟だから分からないだろうが、君より経験を積んでいる私なら、君の問題を解決できるよ」などと言われているように感じることがあります。
また、部下が自分で問題に取り組み、解決策を考え出す機会を奪ってしまうという弊害もあります。相手の問題に対して安易に答えを出してしまうということは、「真剣に自分を問い直す」という権利や「問題解決のために試行錯誤する」という行為を相手から奪うことでもあるのです。
(3)説教型の過剰な関わり
「仕事はそんな甘いものじゃないぞ!」のように、相手の考えを押さえつけてしまう。