「えっ?!ここ、ブライダルフェアの会場じゃないか・・・」
牧野遼太さん(仮名・30代)は思わず絶句した。まさに寝耳に水。その日は「おいしいフレンチレストランがあるから」という彼女に引っ張られてきただけだったのだ。
つきあって3ヵ月目。友人の紹介で出逢った彼女は可愛く、性格も健気で、「ずっと大事にしてあげたい」と思える存在だった。だが、まだ結婚までは考えていなかった。
「いいでしょ、試食会もあるし、ドレスの試着もできるんだって。ただのデートコースだと思って、気軽に入ろうよ」
「ようこそいらっしゃいました。さあ、どうぞ奥へ!」
促されるままに会場に入った牧野さん。しかし、彼女と会場スタッフの目があやしく光ったのをうっかり見てしまった。
『こんなところにとりあえず入ってしまって、ほんとうにいいんだろうか…』
急増する式場キャンセル
結婚式のトラブルが激増中だ。
国民生活センターの発表(6月4日)によると、結婚式場・披露宴サービスに関する相談件数はここ5年間連続で増加している。2008年度は1222件。2004年度(623件)のほぼ倍になった。
とくに目立つのが、申込金の返金や解約料に関するこんな相談だ。