上田 金融危機により、世界経済に激震が走っています。日本にも不況の波をもたらすアメリカ発の金融危機の嵐は、いったいいつ収まるんでしょうか? 今回は、世界と日本の経済の今後について考えましょう。

 株価も10月に入ってから、目まぐるしく動いています。まず、1985年から現在までの経平均株価とニューヨークのダウ平均株価の推移を見ると、これらはグローバル化の影響により、ほぼ同じような動きになっています。
 
 日本はバブル崩壊後、ガクッと落ちて持ち直して来ましたが、今は再び2003年のソニーショック時につけた最安値と同水準まで落ちています。

 ここに来て、企業の倒産も急増中です。帝国データバンクの2008年度上半期のデータを見ると、倒産件数は6343件、負債総額は戦後2番目となる8兆4533億円という大きさ。倒産件数は3年連続で増加しており、負債総額は前年同期比2.9倍となっています。

 その特徴は、多くの中小企業が倒産全体の8割を占める「不況型の倒産」に陥っていること、昨年比2倍ペースで「原材料高騰型の倒産」が増えていること、昨年のミニバブルの崩壊によって不動産関連を中心とする「大型倒産」が増えていることです。

 さてこの現状、竹中さんはどのようにご覧になられますか?

竹中 そうですね。私も年初から「これから経済が本当に悪くなる」と言い続けて来ましたが、やはりその通りになってしまいましたね。

上田 不思議なのは、最近「黒字なのに倒産してしまう企業が増えている」と言われていることです。これは何故なんですか?