1月22日に発表された貿易統計で、日本の輸出が壊滅的な事態に陥っていることが改めて明らかにされた。
08年12月の数字は、対前年比で見ると、総輸出額は35.5%の減となった。地域別に見ると、対米が36.9%の減、対中国が35.5%の減となっている。
品目別に見て落ち込みがもっとも激しいのは自動車であり、対前年比は45.4%の減。対米の自動車輸出は、52.6%の減という信じられないような値だ。輸出が1年前の半分以下になるというような事態は、これまでなかった異常事態である。
しかも減少率は、【表1】に見るように、ほぼ月を追うにしたがって、拡大している。対アジア輸出は、08年9月までは対前年比でプラスの値であった。10月にマイナスに転じたのだが、対前年減少百分率は一桁だった。それが11月以降2桁の落ち込みになっているのだ。
減少率の拡大は、輸出の減少が一時的なものではなく、いよいよ本格的になってきたこと示している。
【表1】輸出の対前年伸び率 |
輸出の激減は
中国経済の本質的な危機
注目されるのは、対中国輸出が急減していることだ。これは、中国の輸出産業の生産が急激に縮小していることの結果である。
中国政府が公表する統計データが不十分であるため、中国経済の状況は必ずしも正確にわからないのだが、輸出産業がきわめて深刻な事態に陥っていることは間違いない。
日中科学技術文化センターブログによれば、06年における中国の雇用者総数は7億6400万人、都市部の登録失業率は4.1%で、失業者の総数は847万人であった。