【第106回】 2009年11月18日
「事業仕分け」をカイゼンしよう
ツッコミ所満載
行政刷新会議が主宰する「事業仕分け」の作業が始まり、日々話題を提供している。まだ始まったばかりなので、評価をするのは時期尚早だが、賛否様々な声が聞こえる。
事業仕分けにも、たとえば、3000件以上ある事業の中から447事業に絞った基準が曖昧であることや、特に民間人の仕分け人の選任について「あの人達は何者で、何の根拠で選ばれたのだ」といった声がある。
しかし、民間人の選任については、あまたある審議会の委員は官庁が自分たちが使いやすそうだと思う人物を選任したものだし、前政権の経済財政諮問会議の民間委員なども要は知名度と好き嫌いで任命されたに過ぎない。しょせん人事というものは、好き嫌いで行われるもので、「仕分け人」も同様だというに過ぎない。
但し、案件の選択も、仕分け人の選任も、どのような方針に基づいて行われるのかについて、事前に明確であることが望ましいということはあるだろう。本来、これは菅直人副総理が主管する国家戦略局(予定)の仕事だろうが、現在国家戦略室に過ぎないものを国家戦略局として法的に位置づける法案はこの臨時国会に提出される予定がないし、菅大臣の側で、組織は整っていなくても仕分けの基本方針を定めようと努力している形跡もない。この怠慢ぶりはどうしたことか。「表舞台での出番はまだ先だと思い定めているようだ」(「朝日新聞」11月16日朝刊3面)といった観測もあるようだが、政治的な思惑があるとしても、大事な時に働かないことは感心しない。
案件と仕分け人の選択以外についても、事業仕分けには問題点が多々あり、いわゆる突っ込み所満載の状況だが、今回、筆者は事業仕分けに対して未だ絶望していない。事業仕分けのいい点・悪い点を洗い出して、これをより有効で役に立つものにする方法はないかを考えてみたい。
事業仕分けのいい点・悪い点
「朝日新聞」(11月16日朝刊)は世論調査の解説の中で、行政のムダを省く取り組みに対して高い支持率(76%)が出ていることについて、「行政刷新会議による事業仕分けが進行中なのも影響しているようだ」と分析している。朝日新聞を信用するなら、「事業仕分け」に対する世間のイメージは悪くない。カイゼンの対象として、事業仕分けには十分な潜在的価値がある。
素朴なアプローチだが、事業仕分けについて、ニュースで見たもの、他人から聞いたもの、自分で思いついたものも含めて、「いい点」と「問題点」を列挙してみよう。
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著者プロフィール
- 山崎 元
(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。
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