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沈み行くJAL株を眺めながら

市場の非効率性の証明?

 日本航空(以下、「JAL」)の会社更生法申請と上場廃止の方針がほぼ決まり、JALの株価が急落したが、特に株価が一桁になってから同株の取引が活況を呈している。

 13日は高値8円・安値7円で取引されて終値は7円、出来高は8億2千万株。14日は高値10円・安値6円の終値は8円で、出来高が10億4千万株。15日は高値10円・安値7円で終値7円の5億4千万株。さらに、週が明けて18日になっても高値8円・安値5円で終値が5円だったが、まだ4億5千万株出来ている。

 株価が安いので売買代金では一番というわけではないが、随分賑わっている。

 しかし、仮にJALの株式が報道のように100%減資になり上場廃止になるなら、今JALの株式を持っていても何の経済的なメリットもないはずだ。ある日刊紙の記者は、「株券が電子化されていて紙くずにもならないのでエコだ」と書いていたが、株券を貰って記念品にすることさえできない。国内の航空券が半額で買える株主優待も無くなるはずだ。

 もちろん、JALは大きな債務超過であり、債権者の債権切り捨てに先立って既存の株主は100%減資で損失を先に負担する訳だから(これ自体はオーソドックスで正しい処置だが)、JALの将来の再建の可能性に賭ける投資の意味がある訳ではない。

 JAL株はそのファンダメンタル・バリューから価格形成されているということではないと見ていいだろう。理論家は全ての株価はファンダメンタル・バリューの最適な推定値になっていて欲しいところだろうが、これだけ流動性のある状況で、多数の投資家が参加しながら、明らかにファンダメンタル・バリューから乖離した株価で取引が行われるというのは、考えてみると少し痛快なことだ。

 少なくとも前記の出来高分のJAL株への買いは入っているのだ。

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著者プロフィール

山崎 元
(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。

この連載について

旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。

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