【第77回】 2009年04月21日
出口戦略と戦略の分散
ヘッジファンドの運用者と議論していて、プロではない投資家の盲点になりやすいポイントを2つ見つけたので、ご報告する。
2つのポイントとは、「出口戦略」と「戦略の分散」だ。
出口戦略とは、「買い」一方の運用の場合、「売り」の判断基準のことだし、ヘッジファンドの場合は一つの戦略にかかわるポジション(多数の銘柄がかかわることがある)の手仕舞い時の判断根拠だ。ポジション形成の基になる判断をもたらした状況が変わると、このポジションは解消に向かうことになるが、どのような場合に解消するのかという点が重要だ。
ポジションの出口戦略、あるいは解消の条件がどのようなものなのかという点は、ヘッジファンドを売り込みに行った場合、ほぼ必ず訊かれるポイントのようだ。
売り目標、あるいは買い(戻し)目標価格を設定して、これに達した場合にポジションを解消するというレベルでは、チャート分析程度の知識しかない素人の「利食い目標」「損切り目標」の設定と差がない。商売でやる以上はもう少し気のきいたことを言いたい。
1つには、株価に影響するイベント(あるいは情報)に対する評価と、現実の株価の動きを対照して、ポジション解消の有無を判断すべきだ。端的にいって、「売り目標」「買い(戻し)目標」となる株価は、条件の変化に応じて基本的には毎日変化するはずだ。
これを、自分の買値(売値)を基準に固定的に判断するというのでは心もとない。たとえば、3倍に上がってもおかしくない株を、自分の買値の3割上で売るのでは寂しい。
加えて、ポジションを作る際に判断根拠としたイベントと時間との関係を評価して、これを売り買いの判断に反映させる。イベントから時間がたつと、注目したイベント以外の余計な情報が発生しやすくなる。ある程度以上時間がたってしまうと、当初のイベントの価値が下がることがある。
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著者プロフィール
- 山崎 元
(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。
この連載について
12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。
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