ここは仕事にとって大きなポイントです。仕事のことで気になっていることが、リラックスして気を抜いた時にポッカリやってくる。

 ジェームス・ウエッブ・ヤングという広告の大先生がアイデアを出すことについて書いています。そのなかで、四六時中考え続けること、というのがあります。きりきり机に向かって考えろ、といっているのではなく、頭の片隅においていつも意識していなさい。と言っているんですね。それは何かの拍子に、突然アイデアかそれに近いものが浮かんでくるからです。浮かんだ時に、書き留めるすべがなかったら、これは不覚です。

 眠る時も持ち歩く。というのは、まさか僕は夢遊病ではないので、枕元にメモとペンを置く、ということです。

 経験的に言って、そのメモ取りを一番活用しているのは目覚める直前です。目が覚めかけている時に、引っかかっていた疑問の答えが出てきたりする。

 よく寝ぼけて書き留めたら意味不明だったという話を聞きますね。人によってちがうと思うけど、僕は眠りから覚める前、たとえば7時に目覚ましをかけてあると、なぜか6時半頃に目が覚めて、課題の答えを思いついたりします。

 このときにメモが手近になければ、そのアイデアはまちがいなく、また眠りの向こうに消えていきます。

メモを取るという「意識」

 さて、インサイトの獲得は「聞く」ことで、どうやったら集中できるかという疑問に、メモを取るというのが答えになるのでしょうか。実は「メモを取る」というのは技術の話ではなく、意識の話なのです。

 自分自身に言い聞かせるのです。どれほど聞くことが大事か、その証拠に24時間自分はメモを持ち歩き、何かといえば人から聞いたことを書き込んでいる、それはその中にインサイトがあるからだ、人の話、あるいは無意識に話したことの中にインサイトがあって、それがアイデアの素になるからだ、と。

 聞く力を養うには意識がいるのです。自分にそう思い込ませる。それが自分を「信じる」ことと直結します。


<次回に続く>

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