不動産を高値で売却する方法[2018年]
2018年5月8日公開(2018年7月13日更新)
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ザイ・オンライン編集部

不動産売却時の注意点を業界のプロに聞いた!
「レインズに登録しない」「図面を載せない」など
不動産仲介会社の悪質な「囲い込みテク」に注意を

家やマンションなどの不動産売却時には、不動産業界をよく知らない一般人は何に注意をすればいいのか? 不動産業界のプロに、損をしないための不動産売却の注意点を聞いた。特に最近は、不動産の売り手にとって不利益になる違法な「囲い込み」が、巧妙かつ悪質化していると言われる。「一般媒介にして、レインズに登録しない」「レインズに図面を登録しない」などの手法があるという。不動産の売り手の利益を目減りさせる「囲い込み」の被害に遭わないよう、悪質な不動産仲介会社が行なっている「最新の囲い込みテクニック」を知っておいたほうがいいだろう。

2015年に囲い込みは社会問題化するも、なくならず

 家やマンションなどの不動産売買においては、いまだに売り手にとって不利益となる、違法な「囲い込み」行為が残っている。不動産売却情報の「囲い込み」とは、不動産の売り手から売却委任契約を受けた不動産仲介会社が、他社から「購入希望者がいます」と問い合わせがあっても紹介せず、自社で買い手を見つけることによって多額の手数料を得ようという行為だ。当然、これは違法な行為に当たる。

 囲い込みにより、売り手はせっかくの買い手を失い、販売期間が長くなるだけでなく、売れないので値下げを余儀なくされる、という損害をこうむることになる。不動産売買は金額が大きいだけに、百万円単位で損することもある。

 一部の悪質な不動産仲介会社がこの「囲い込み」を頻繁に行っていることは、業界の常識であったが、2015年にダイヤモンド・オンラインなどが、「大手不動産会社が不正行為か」などと報道したことで社会問題化。その後、国土交通省が対応策を出したことなどで沈静化するかに見えたが、最近は「より巧妙な手口での囲い込みが目立ってきた」(中堅不動産仲介会社幹部)という。

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最新の囲い込みテクニックは3つ

 それでは現在、どんな「囲い込み」が行われているのか、不動産業界関係者への取材をもとに、その実態を紹介していくので、ぜひ注意してほしい。

悪質化する、最新の「囲い込み」手法とは?
1. あえて一般媒介契約にして、レインズへの登録義務を外す
2. レインズに図面を登録せず、他社から連絡があっても渡さない
3. 他社から内覧の問い合わせがあっても、理由をつけて断る

 かつての「囲い込み」は単純に、他の不動産仲介会社から「購入希望者がいる」と問い合わせがあっても、「すでに買い手がついています」などと言って、門前払いにすることが多かった。しかし業界のデータベースの制度変更に伴い、こうした口実が使いにくくなったことから、より巧妙なやり方が広まっているという。

最新の囲い込みテクニック(1)
あえて一般媒介契約にして、レインズへの登録義務を外す

 2015年に囲い込みが社会問題化した際に、国土交通省は制度改革に着手。2016年1月、不動産仲介会社専用のデータベース(指定流通機構)である「レインズ(REINS)」について、売り手がレインズの自分の登録データを見られるように制度を変更した。
 
 売り手は、自分の物件がきちんと業者間に公開されているかチェックできるだけでなく、取引状況が「公開中」「書面による購入申込みあり」「売り手都合で一時紹介停止中」の3種類で登録されるようになった。売り手が簡単にチェックできるようになったので、正式な購入申し込みがない限りは、「公開中」にしておかなければならず、他社からの問い合わせを門前払いするのが簡単でなくなったのだ。

 そこで、最近増えているのが、契約を「一般媒介」にするという方法だ。

 そもそも、レインズに物件情報を登録しなければならないのは、「専任媒介」「専属専任媒介」であり、「一般媒介」という“複数の不動産仲介会社と契約できる媒介形態”はレインズへの登録義務がない。

 通常、不動産仲介会社としては、他の不動産仲介会社と契約されても文句を言えない「一般媒介」は避けたいはず。しかし、売り手が不動産売却について素人であり、他社の相見積もりを取っていないことが明らかな場合、あえて一般媒介で契約するのだ。これでレインズへの登録の義務はなくなり、取引状況を見られることもなくなるため、囲い込みをしてもバレにくくなる。

 もし、不動産仲介会社から、根拠もなく「一般媒介」を勧められたときは、その理由を詳しく聞いたほうがいい。「レインズ外し」を狙っている可能性がある。明確な理由がなければ、契約を再検討したほうがいい。

 その際、「一般媒介でもいいが、レインズへの登録をお願いします」と聞いてもいいだろう。一般媒介はレインズへの登録義務はないが、売り手がレインズへの登録をお願いすることはできる。レインズへの登録は、不動産売却において最も有力なネットワークなので、必ず登録してもらおう。急に「一般媒介の話はなかったことにしてほしい」などと言い始めたら、それは囲い込みを狙っている可能性が高いといえる。

売主が登録情報を見るには「登録証明書」が必要

 なお、売り手がレインズの登録情報を見るには、「登録証明書」が必要だ。これは契約した不動産仲介会社から渡されることになっている。稀に、登録証明書を渡し忘れる不動産仲介会社もあるので、気をつけよう。以下の画像が登録証明書のサンプルだ。

レインズ登録証明書(売主が登録情報を見る時に必要)、出典: 不動産流通機構(元データを一部修正)
拡大画像表示

 登録証明書には、最下部に「確認用ID」と「パスワード」が記載してあるので、確認しよう。レインズのサイトで入力すれば自分の物件の売出し状況が見られる。

 なお、ここで必ず確認したいのは、左下の「図面」情報だ。後述するが、当然、図面が登録してあったほうが反響が多くなるので、「有」と記載されているか確認しよう。

最新の囲い込みテクニック(2)
レインズに図面を登録せず、他社から連絡があっても渡さない

 「レインズに図面を登録しない」という方法も、増えていると言われる。

 そもそも、レインズに文字情報として登録するのは、マンションなら「マンション名」「階数」までであり、土地であれば、「丁目」までに留めることが多い。そのため、間取り図、写真などの図面が同時に登録されていなければ、どんな物件かを判別することが難しく、そもそも問い合わせしようという気が起こりにくい。また、「物件の詳細を知りたい」と他社が電話をしても、「作成中です」と嘘をついて、渡さないケースもある。

 「登録したばかりで図面が間に合わなかった」というのなら言い訳として通用するかもしれないが、レインズに登録して1カ月以上経つのに図面が登録されていないという物件がレインズ上では散見される。さらに、その不動産仲介会社の自社サイトで同じ物件を検索すると、すでに間取り図や写真が掲載されているケースもあり、レインズには意図的に図面を載せていないように見える。当然、囲い込みをしている可能性が高いといえるだろう。

 ある不動産仲介会社幹部は、「レインズを見ていると、特定の不動産会社の特定の営業所だけが、図面の登録が少ない。『営業所ぐるみ』で囲い込みをしている可能性がある」と指摘する。

 こうしたトラブルを防ぐためには、レインズへの登録が済んだ後、先ほどの登録証明書で「図面」が「有」になっていることを確認しよう。さらに、登録されている図面の内容も重要だ。どんな「図面」が登録されているかどうかを登録画面で確認しよう。以下が自分の物件の登録画面(サンプル)だ。

レインズ登録内容確認画面 ※売り手向けの、レインズの登録内容確認画面。登録されている図面を表示することができる。出典: 不動産流通機構(元データを一部修正)

 レインズで自分の売却物件を確認できる画面では、登録している「図面」を確認できる。上記写真の赤丸内の「図面の表示」ボタンを押せば確認できる。すでにスーモ、アットホーム、ホームズなどのポータルサイトへの登録が完了しており、売出用の図面があるのなら、レインズに「図面」が登録されていないのはおかしい。

 もし「図面」を登録していないようなら、すぐに登録してもらうか、その不動産仲介会社との契約は打ち切ったほうがいい。 

重要な「広告転載区分」は、業者の画面でしか見られない

 なお、売り手が自分では確認できない重要な情報がある。「広告転載区分」だ。

 「広告転載区分」は、他の不動産仲介会社が、売り手の依頼を受けた不動産仲介会社にいちいち許可を得ることなく、自由に広告できるかどうかを示したもの。「可」となっていれば、他の不動産会社は自由にポータルサイトで物件を掲載したり、その会社のチラシやサイトに掲載したりできる。売り手としては、買い手の目に触れる機会が増えるので、基本的にはプラスになる。

 ところが、多くの不動産仲介会社はこの「広告転載区分」を「不可」にしている。その方が売り手と買い手の両方から手数料をもらえる「両手取引」になりやすく、自社の売り上げがアップするからだ。これは、売り手の利益よりも、自社の利益を優先しているということだ。売り手として、売却のチャンスを少しでも増やしたいのであれば、「広告転載区分」は「可」にすべきだ。

 ただし、売り手は自分では確認できない。不動産仲介会社にお願いして、業者向けの管理画面を見せてもらって確認しよう。下のサンプル画像のように「広告転載区分」が「不可」となっていたら、「可」にしてもらおう。もちろん、契約時に「広告転載区分は可能にしてください」とお願いすることも忘れないようにしたい。

「広告転載区分」は業者の管理画面でしか見られない(「不可」のケース)。出典: 不動産流通機構(元データを一部修正)
拡大画像表示

 同時に確認したいのが、「物件画像」が登録されているかどうか。これまた、売り手は自分で確認する方法がないので、業者向けの確認画面を見せてもらおう。当然、物件画像が多いほど反響が大きくなりやすいので、なるべく数多く掲載してもらおう。なお、業者向けの管理画面では、「広告転載区分」「物件画像」「図面」の3項目は並んでいるので、一緒に確認させてもらうのがいい。

 上記画像のように、「(広告転載区分)不可」「物件画像は登録されていません」「図面は登録されていません」となっているのは最悪のパターンなので、見直してもらうか、不動産仲介会社を変更するのがいいだろう。

最新の囲い込みテクニック(3)
他社から内覧の問い合わせがあっても、理由をつけて断る

 「他社からの内覧希望の問い合わせがあっても断る」というのは、もっとも原始的なテクニックだ。昔は「すでに買い手がついている」と言って簡単に断っていたのだが、レインズで「売却中」と堂々と表示するようになったので、簡単にあしらえなくなった。そこで、最近は、嘘と思われる様々な言い訳が登場している。

他社からの内覧依頼を断る「言い訳」とは?
「売り手が海外出張中で見学できない」
「売り手が入院中で対応できない」
「鍵を紛失してしまったので、今はダメ」
「現在、リフォーム中なので、来月以降でお願いします」
「その内覧希望日は、都合がつかないんです」

 内覧の確認電話をしてきた不動産仲介会社に対して、こうした理由をいえば、相手もそれ以上追求はできない。電話をしてきた不動産仲介会社は、売り手と直接コンタクトできないので、理由さえつけておけば、断ることは今でも可能なのだ。結局、囲い込みをしようと思えば、制度改定の影響はさほどなかったと言える。

 ただし、以上のやり取りは業者間のものであり、一般人の売り手は知るすべがない。売り手としては、「あまりにも他社からの問い合わせによる内覧」が少ない時は、囲い込みを疑うしかない。他社からの問い合わせによる内覧は、その会社の営業担当者が必ず帯同してくるので、それと分かるはずだ。

 囲い込みをされているかどうかをチェックしたいのであれば、不動産会社に勤務する友人らに助けを求めよう。不動産仲介会社のふりをして内覧依頼(物件確認)の電話をしてもらい、きちんと内覧依頼に対応してくれたたかをチェックすれば、囲い込みされているかどうかが判明する。

【関連記事はこちら!】
>>不動産が売れないのは、不動産会社に問題がある?「レインズに登録」「詳細な報告があるか」など、販売活動をチェックする4つのポイントを紹介

囲い込みのトラブルに合わないよう、誠実な業者を探す

 不動産の売り手が、レインズデータを一部見られるようになったことは歓迎すべきことだが、それだけでは違法な囲い込みを撲滅するのは難しかったようだ。むしろ、分かりにくくするため、「あえて一般媒介にする」など、より悪質とも言える手口が出てきただけに注意は必要だ。。

 「最近は、手数料割引合戦が過熱しており、売り手と買い手の両方から手数料を取れる“両手取引”を増やすために、囲い込みをしたいという欲望は高まっている」(ある不動産仲介会社幹部)とも言われる。
 
 「囲い込み」のトラブルに遭わないよう、以下の悪質な不動産仲介会社の囲い込みテクニックを覚えておいて損はない。また、少しでも誠実な不動産仲介会社を探すために、複数の不動産仲介会社の話を聞き、誠実に販売してくれる不動産会社をみつけることをおすすめする。

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<不動産売却の基礎編>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆スマイスター(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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