AIが通話内容を要約し、業務時間が約50%減少
「Altius ONE」は、実際どのように活用されているのか。一例として若槻社長が挙げたのは、あるエネルギー企業の導入ケースだ。この企業は、コンタクトセンターが電話で受けた内容を要約する作業に多大な時間を費やしていることに課題を感じていた。
そこで、コンタクトセンター業務に特化したLLMを活用してAIが通話内容を要約することで、人手による業務時間が約50%も減少(※1)。
また、メール対応業務における問い合わせ内容のスクリーニングや回答作成にもAIを活用している。メールの下書き作成を生成AIとRPA(Robotic Process Automation)を使って自動化。生成AIが問い合わせ内容をスクリーニング・分類し、不足情報の入力や、ナレッジを参照して1次解決を行う仕組みを構築することによって、オペレーターの業務工数は約50%も削減された(※2)。これらの業務効率化の取り組みにより、問い合わせから回答までの迅速な応対が可能となり、業務も均質化されて、顧客体験の改善につながっている。
今では、生成AIを活用した応対データから要望・ニーズの抽出・分析に取り組み始めており、サービスやオペレーションの改善を図っている。
コンタクトセンター業務を大幅に効率化するアルティウスリンクのサービスは、KDDIグループ内部でも活用されている。
個人の携帯電話サービスに関する問い合わせや、法人の電話回線や各種サービス関連の問い合わせを受け付ける「KDDIお客さまセンター」は24年11月、提供サービスの拡充と高度化を図るプロジェクトをアルティウスリンクと共同でスタート。その一環として、音声認識ツールを活用し、オペレーターの全音源の応対評価を自動化した。
「以前は録音された応対内容をスーパーバイザーが耳でチェックして評価していましたが、自動化によってスーパーバイザーの業務負荷は6割近く削減されています(※3)」
また、両社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の知見を生かした新サービスの開発に向けて、実証実験を行うパイロットセンターの構築も進めている。すでに複数の企業が見学に訪れており、25年度以降には実証実験のデモを体験できるショールーム化を目指している。
他にも、アルティウスリンクの社内ヘルプデスクにおける電話受付の完全廃止や、FAQとチャットボットによる経営管理業務の効率化など、社内DXを推進し、そのノウハウを企業へ提供する取り組みも積極的に進めている。
「グループ内における成功事例を基に、お客さま企業にもより良い支援サービスを提供していきたい」と若槻社長は抱負を語る。