「協調」と「競争」の両面で課題解決を支援

今回のイベントでは、「WAKONX」によって、各テーマのビジネスが未来に向けてどのように進化するのかが紹介された。

「WAKONX」は、KDDIが「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」という2030年ビジョン「KDDI VISION 2030」を具現化するために始動したAI時代のビジネスプラットフォームである。

最大の特徴は、AI enabledな三つの機能群である。業界ごとのニーズに応じて最適なネットワークを提供する「Network Layer」、企業間のデータをセキュアに蓄積・融合・分析する「Data Layer」、DXに必要なAIやソフトウェアを業界ごとにファインチューニングして提供する「Vertical Layer」で構成されている(下図参照)。

物流、小売・流通、放送、BPOの各テーマで取り組む、次世代技術を活用した変革の中身とは図 「WAKONX」の全体像
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KDDIグループは、このプラットフォームによって、主に「モビリティ」「物流」「小売・流通」「放送」「スマートシティ」「BPO」の六つのテーマが抱える業界課題や社会課題の解決に貢献することを目指している。このうち、「物流」「小売・流通」「放送」「BPO」の四つのテーマに関する講演内容の一部を紹介したい。

いずれのテーマにも共通するのは、「協調」と「競争」の両面で業界内における課題解決やビジネス創出の支援を行っていることだ。

「協調」とは、ユーザー企業のデジタル投資にかかる負荷を抑えるため、パートナー企業との共創により業界ごとに共通した課題を解決できるフレームをつくり、サービス化して利用してもらうこと。そして「競争」とは、「協調」によって削減された投資をユーザー企業自らの付加価値を高めるためのサービス創出や事業強化へシフトすること。この両面のスピードアップを図ることこそが、「WAKONX」を通じてKDDIが取り組む使命である。