9月は、株主優待投資家にとってうれしい月のひとつ。300件を大きく上回る数の株主優待が実施されるからだ。今回は、株主優待大量実施月を前に、さまざまな優待の買い方を見ていこう。まずは、株主優待銘柄を買うときの基本から。
うっかりミスには注意したい、株主優待株の買い方3つの基本
(1)欲しい銘柄は、権利確定日の3営業日前までに購入する
9月の場合は、30日(火)が権利確定日なので、25日(木)の権利付最終売買日までに購入しておけばよい。
ただし、最終売買日の直前になると、株主優待人気の高い銘柄は株価が値上がりしていて高値づかみになりがち。できれば、株主優待狙いの株価上昇が始まる前――権利確定日の2~3カ月前からこまめに株価の動向をチェックして、なるべく早めに買っておきたい。
(2)欲しい優待獲得に必要な単元数を買う
多くの株主優待銘柄では1単元(100株や1000株など)で株主優待を獲得できる。ただし、中には「1単元が100株でも株主優待は200株から」という銘柄も存在するので注意が必要だ。
また、単元数によって株主優待内容が異なる銘柄もある。たとえば、タカラトミー(7867/3月・9月)の3月株主優待は100株以上では株主限定トミカなどだが、株主限定リカちゃんがもらえるのは1000株以上。リカちゃんが欲しいなら1000株を購入する必要がある。
(1)の購入期限も(2)の必要単元数も、株主優待投資の基本中の基本だが、うっかりミスをする人が多いのも事実。どちらも、銘柄ごとに丁寧に確認して欲しい。
(3)チャート・業績・ニュースをチェックして買う
株主優待銘柄を買う人の中には、株主優待内容しか見ないという人もいるが、それはあまりにも危険。株主優待は獲得できても業績悪化で株価が大幅に下がったり、最悪のケースでは優待廃止になったりということもあり得る。
株価チャートで値動きの傾向を見る(全体相場がいいのに下がる一方の銘柄はより慎重に判断を)、業績では前期の実績と今期の予想を見る(赤字の銘柄は避けたほうが無難)、そして株価に大きく影響を与えそうなニュースが出ていないかどうかも確認。最低でもこのくらいはやっておこう(株価が急落した優待銘柄を「ラッキー」と買ったら、急落の原因は優待廃止の発表だった、という株主優待投資家の実話もあるので)。
次に、応用編として株主優待をカシコク獲得する3つのワザをご紹介。
家族で買う…好きな株主優待は、配偶者や子供にも買ってもらおう!
株主優待は100株で1つもらえるからといって、200株買えば倍の2つもらえるわけではない場合がほとんど。
そこで、お気に入りの株主優待の2個取り、3個取りを狙うなら、家族にも協力してもらおう。妻や夫、兄弟姉妹、子供の名義で口座を開いて、目当ての株主優待銘柄を購入してもらえばよい。
子供が未成年であっても、証券会社によっては親の同意などを条件に口座を開設することが可能だ。具体的には、安藤証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券では、20歳未満でも現物株を購入できる。
| 未成年でも口座を開ける主なネット証券 | ||||
| 証券会社名 | 年齢条件 | 可能な株取引 | 備考 | |
| 1 | SBI証券 | 20歳未満 (未婚者のみ) |
現物株、単元未満株、 外国株、PTS取引 |
15歳未満の場合の取引主体は 親権者、親権者の口座開設も必須 |
| 2 | 松井証券 | 20歳未満 (未婚者のみ) |
現物株 | 親権者の口座開設も必須 |
| 3 | マネックス証券 | 20歳未満 | 現物株、単元未満株、 外国株 |
親権者の口座開設も必須 |
| 4 | 安藤証券 | 16歳以上20歳未満 | 現物株 | - |
| 5 | フィデリティ証券 | 20歳未満 | なし(投信のみ) | 親権者の口座開設も必須 |
| ※8/25時点 | ||||
株主優待銘柄には、1万円未満~2万、3万円程度とお年玉やお小遣いを貯めて買える金額のものもある。株主優待の複数取りのワザとしてはもちろんのこと、親の管理のもと、株主優待を通して子どものお金の勉強にもきっと役立つだろう。
クロス取引…信用売りと組み合わせて、手数料だけで株主優待ゲット!
株主優待銘柄の株価は、権利確定日の翌日になると株主優待+配当分程度、いったん大きく値下がりする。この値下がり(権利落ち)リスクを避けて、取引手数料などだけで株主優待を獲得できるのが、クロス取引のメリットだ。
クロス取引の具体的なやり方は、次の通り。
●最終売買日:場の始まる前に「成行」で、現物株の「買い」+信用取引の「売り」を発注→約定
●翌営業日:「現渡し」(信用の売りを現物株で相殺する)で完了→あとは優待を待つだけ(配当分は相殺されるためもらえない)
手順自体は、何も難しいことはない。しかし、多くの証券会社で利用できる「制度信用売り」では、「売り」が増え過ぎるとイレギュラーな株のレンタル料(逆日歩)が発生するというリスクがある。しかも、発生の有無もその金額も事前にはわからず、時には株主優待分以上の逆日歩がかかることも。
そこで、クロス取引をするなら、逆日歩の発生しない「一般信用売り」を活用するのが安全と言える。「一般信用売り」が可能なネット証券は限られていて、たとえば>カブドットコム証券や松井証券などで扱っている。カブドットコム証券の場合は約2200銘柄、松井証券では約710銘柄が「一般信用売り」に対応。具体的な銘柄名のほかクロス取引の詳しい方法なども、両社のサイトで確認可能だ。
NISAで買う…株主優待をもらいつつ、配当や値上がり益を非課税に!
NISA口座のメリットは、年間100万円までの投資額についての配当金や売却益が全額非課税になること。そのため、単に「株主優待内容がいい」「株主優待利回りがいい」というだけの株主優待銘柄にNISA口座の枠を使ってはもったいない。
欲しい株主優待であることに加えて、NISA口座の場合は(1)配当利回りがよい、(2)株価の上昇が期待できる(株価が割安、成長性が高いなど)、のどちらか、もしくは(1)+(2)の両方の条件を満たす銘柄を選ぶことが重要と言える。
NISA口座向きの株主優待銘柄探しに使いたいのが、マネックス証券の「スクリーニング」機能だ。配当利回りをはじめ、株価の割安度を見るPERやPBR、収益性の高さを見るROE、株価の過熱感を表すRSIといったさまざまな指標の数値を複数指定して、NISA向きの銘柄を絞り込むことができる。
ポイントは「株主優待情報がある銘柄のみをスクリーニング対象とする」という項目が用意されていること。単月のみだが、権利確定月の指定もできるのは便利。
マネックス証券の「スクリーニング」の検索結果画面。新しいスクリーニングページもあるが、優待銘柄で絞り込めるのは従来版のみ。
また、財務指標やテクニカル指標の数値を自分で細かく指定するのはちょっと面倒だし難しい…という人には、SBI証券の「株主優待検索」機能がオススメ。
予想ROE5%以上、時価総額1000億円以上などの複数の条件を満たす「大型優良株」、株価の割安度を見る「PBR1倍割れ」「PER平均以下」など、優良な株主優待銘柄を絞り込むための「こだわり条件」ボタンが6つも用意されている。細かい数値は指定できないものの、クリックだけでNISAでも比較的安心して買える銘柄を探すことができる。
SBI証券の「株主優待検索」機能。配当利回りは「市場全体の平均以上」での絞り込みになるため、最後は個別に見ていく必要がある。拡大画像表示
なお、マネックス証券の「スクリーニング」機能、SBI証券の「株主優待検索」機能ともに、利用するには口座開設後にログインする必要がある。
基本をしっかり押さえつつ、自分に合った取得法を活用して、株主優待ライフをより賢くお得に楽しんで欲しい。



