個性を生かす
革新的なコラボメニュー

──社員に愛される会社作りについてお話しいただきましたが、お客に愛されるために大事にしていることは何かありますか?

 2回目にご来店いただいた時でも「良い」と思われる営業ができているか、を大事にしています。映画と一緒で、事前情報があまりない1回目はサプライズが通用しますよね。しかし、2回目はネタバレしている。だから、本当の実力が試されます。逆に2回目に良いと言ってもらえたら、それは本物です。

──リピーターになってもらうには、どうすればいいんでしょうか? 

 基本を突き詰めるしかないと思っています。一般的にはQ(Quality:品質)・S(Service:サービス)・C(Cleanliness:清潔)が飲食店運営の基本として言われています。麺屋武蔵では、そこを「S・C・Q」つまり「元気・キレイ・いい味」と言っています。暖簾(のれん)をくぐってから出ていくまでの時間に対してお客さまはお金を払ってくださるので、私たちはお客さまが店にいらっしゃる時間に責任を持たなければなりません。この基本にどれだけ立ち返れているか。2回目以降の来店のチャンスはここにかかっていると考えています。

──麺屋武蔵の魅力として、独創的なコラボメニューもあるかと思います。コラボメニューについてのお話も伺えますか?

意表をついたコラボラーメンの数々でも話題
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 今までロッテさんとはチョコレートつけ麺「つけガーナ」、日本酒の獺祭(だっさい)で知られる旭酒造さんとは酒粕を使用したラーメン「獺祭 酒芳味噌ら~麺(さけかおるみそラーメン)」を発表してきました。マネはされたいけど、マネは絶対したくない!もっともっと新しいラーメンを作りたいというマインドの賜物ですし、一緒にやりましょうと言ってくださった方々とのご縁に恵まれて実現したものだと思っています。

──コラボメニューの開発以外で、新しい試みは何かされていますか?

 小学校に給食としてラーメンを提供しに行ったことは、新しいチャレンジだったかなと思います。衛生管理やカロリー計算がとても大変でした。でも、生徒たちと一緒に給食でラーメンを食べて「なんでラーメン屋になったの?」とか質問されたりすると、私もラーメン屋を志した当時の気持ちとかを思い出したりして。原点回帰できる、よい経験になりました。

 あとは料理専門学校へ授業に行ったりもしています。1回目は調理のデモンストレーション、2回目は実際に作ってもらい、3回目はオリジナルラーメンのコンテストをするというカリキュラムを組んでいます。これによって、未来のお客さまでもある学生にラーメンを食べてもらえるのはありがたいですし、参加した社員にも自分の仕事に誇りを持ってもらい、よりよいラーメン作りにつながればいいなとも考えています。

──学生たちとの交流もよい刺激になっているようですが、社員教育についての社長のお考えを伺えますか?

 社員には、お客さまに喜んでもらうスキルを必死になって磨いてほしいです。麺屋武蔵にかぎらず、若い間は「若い」というだけで市場価値がありますが、30過ぎると、それはなくなります。だからスキルを磨き、「自分」という「商品」にどれだけ「価値」をつけるか考えて働かなければいけないと思います。麺屋武蔵で培ったノウハウでまったく別の業界で活躍してくれる人が出てくると嬉しいですね。