第二に、「人」のリソースを活かしたブランドづくりもまだまだ足りていない。たとえば、あまり知られていないが宮城県はすらりとしたイケメンが多い。そして、稲垣潤一、さとう宗幸、大友康平など数多くの音楽アーティストを生みだし、現在でも仙台を拠点としている音楽会社「エドワード・エンターテインメント・グループ」からは、MONKEY MAJIKやRake、GReeeeNなどの人気アーティストが輩出されている(MONKEY MAJIKとGReeeeNは、現在は別会社に移籍)。このような音楽を生み出す力と、イケメンという人的リソースを活かせば、人気のご当地イケメングループを生み出すことも可能だ。実際、ふるさと納税を活用したご当地アイドル支援はすでに例があり、群馬県前橋市では30万円以上をふるさと納税すると、ご当地アイドル「あかぎ団」が出張パーフォーマンスしてくれる。その他、寄付額によってタオルなどのグッズやCDが返礼品としてもらえる。山形県米沢市では、1万円の寄付で地元演歌歌手の舞鶴雪のCDをもらえる。

 いまは全国各地にご当地アイドルがいるが、その中には高いポテンシャルや実力を持ったアイドルも多い。たとえば、佐賀県にはピンキースカイという女性2人組のご当地アイドルがいる。テレビのアイドル番組で「九州に行ったらピンキースカイは観たほうがいい」とまで紹介される実力派アイドルだが、このような高いポテンシャルを持つアイドル、アーティストはまだまだ全国にたくさん埋もれているはずだ。地方創生はこのような人材をもっと活かすべきだ。

 また、エンタメビジネスはインバウンド効果がある。さらに若年層の流出を防ぐ効果もある(場合によっては流入も期待できる)。エンタメビジネスはアーティストやアイドルなどの演者だけでなく、スタッフも含めれば、若年層に対する雇用も生み出せる。地方創生にとっては大きな効果が期待できるのだ。その意味で地方行政ももっと積極的に取り組んだほうがいいが、アイドルやアーティストの育成には金と時間がかかり、行政がそこに投資することは難しい。だからこそふるさと納税が使えるわけで、そのお金でアイドルやアーティストが育ち、人気が出れば、またふるさと納税やインバウンドでお金が返ってくる。このような人的投資を、地方行政はもっと考えたほうがいい。

 社会貢献や地域創生のプログラムも、ひとつの地方ブランドになり得る。だから、ふるさと納税を活用したプログラム開発や支援をもっとやったほうがいい。たとえば、神戸市の「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」。須磨は関西を代表する海水浴場のひとつで、関東で言えば湘南みたいな立ち位置のビーチだが、ここを障害者も楽しめるビーチにするというプロジェクトが展開されている。実際、今年(2018年)の夏には、ビーチマットを敷いて車椅子でも砂浜を移動できるようにし、水陸両用車椅子で海に入って海水浴ができるようにし、障害者が使えるシャワーやトイレも新たに設置した。さらには海水浴だけでなく、先日は障害者による木登りイベントを須磨海岸近くの須磨離宮公園で開催。多くの障害者たちが木登りを楽しんだ。