米中の二大大国は、国家と企業が総力を挙げ、AI(人工知能)の覇権争いを激化させている。AI半導体のサプライチェーン、エネルギー資源、安全保障を巡り、世界は米国と中国の2つの陣営に分断され、対立は後戻りできない段階に入った。生成AIの爆発的な拡大によって、「計算能力」が国力を決める時代に突入。AIはもはや成長産業の域を超え、世界の産業秩序そのものを揺さぶっている。では、日本はどうか。AI活用の遅れは決定的となり、産業競争力は先進国最下位圏に沈むどころか、新興国にすら追い抜かれる危機的局面を迎えている。このまま日本は、米中が覇権を狙うAI産業戦争に、敗者として呑み込まれてしまうのか。まだ、勝ち筋は残されているのか。
