わが国では1年を「暦年」と「年度」で数える2つの方法がありますが、個人の税金は暦年単位で計算されることは皆さんご存じかと思います。11月~12月になると、多くの勤務先で、「年末調整(1月から源泉徴収で払ってきた所得税額と年収が確定した時点で再計算した所得税額との過不足を精算する)」が行われることから、いやがおうでも税金への意識が高まります。ですからこの時期になると、「毎月支払う高い税金、何とかならないものか」とぼやきたくもなるわけです。
その高い税金を勤労者が手軽に節税する方法の1つとして、「ふるさと納税」が挙げられます。実質2000円の負担で全国各地の名産品などの返礼品がもらえることから、激しい返礼品競争が発生し、総務省から過剰な返礼品は慎むようにお達しが出ているほどです。
例年、ふるさと納税は所得税額と年収が確定する年末に駆け込みで行う人が多いのですが、駆け込みの場合は思いがけない失敗をしてしまうケースが少なくありません。そこで今回は、「駆け込み」でふるさと納税する際に注意すべき点をおさらいしておきしましょう。
自営業者や副業をしているなど、
給与所得以外がある人は「上限額」に注意
ふるさと納税で最も注意したいのが「決められた寄付額以内」に寄付金を抑えることです。上限額はふるさと納税のポータルサイトなどで試算できるので、自分のふるさと納税の上限額を把握することがスタートになります。以下に、総務省の「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)」の目安の抜粋を図にまとめておいたので確認してください。
注意したいのが、上記の表は自営業者や副業をしている人など、給与所得以外の所得がある人はそのまま使うことができない点です。該当しない人の場合、前年の住民税額の概ね20%程度が寄付額の上限の目安といわれています。あくまでも上限の目安なので、自分の場合の詳しい数字は公開されているシミュレータなどできちんと計算して利用しましょう。